グローバル・マネー・ジャーナル

2017.12.6(水)

IMF見通しにみる世界の経済成長率推移(田口美一)

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IMF見通しにみる世界の経済成長率推移(田口美一)

【世界の経済成長率推移 ~IMF見通し~】

10月に公表されたIMFの世界景気に関するデータを見ていきます。まず、世界は回復が加速していると非常にポジティブな評価をしています。しかも、世界的にあまり極端に悪いところはなく、非常に順調に回復しているとみています。新興国はその回復が、さらに2018年に向かっても継続するとしています。

また、中心であるアメリカ、中国も、合わせて世界の40%のGDPシェアとなりますが、回復が持続し、中国は懸念を超えて順調回復としています。そして最後に、日本についての私の見方ですが、日本も数字は少しずつ良くなっていて、相当長い経済成長の拡大というコメントをメディアでも多く目にします。

これは潜在成長力を足元が上回っているのではないかと思われます。今日本が持っている力からすると、絶好調が続いているというのが私の印象です。これがいつまで続くのかという懸念と、もしかすると2020年のオリンピックを前に、少し潜在成長が上がってもおかしくない環境にあると考えるべきという、分岐点に来ているのかもしれません。

具体的な数字を見ると、今回IMFが公表した成長率見通しは、大きな変化というよりも、微調整で上方修正しているものが多くなっています。アメリカも2018年は2.1から2.3と、上方修正しています。ユーロ圏も同様で、日本もわずかですが上方修正です。そして中国は、7%を少し切ったところから少しずつ下がっていくだろうという見通しを立てていたわけですが、それでも各年少しずつ上方修正しています。世界中が、非常に成長を加速しているというポジティブな見通しとなっています。

さらに新興国も、2016年にはマイナスとなったロシア、ブラジルあたりが、2017年にV字回復をした後、こちらも少しずつ数字を上方修正しています。高い成長をしているインドも、2017年、2018年ともに少し下方修正をしているものの、それでも7.4%と非常に高い数字となっており、新興国も全体的に従来のペースを維持し、かつ上方修正というポジティブな予想となっています。

ブラジルは引き続き、政治スキャンダルが起こっている国です。こちらも混乱があらわになった直後は、株価、金利、為替ともに大きく売られ、トリプル安の様相を見せましたが、その後かなり速いスピードで回復しており、政治的には今も混乱していますが、金融市場については経済の実態も回復していることと相まって、意外と強い立ち直りをしています。

こうした今回のレポートの中で、IMFが指摘しているのは、賃金の伸びが世界的に低いという事が一番の懸念材料だとしています。もちろん中東、北アフリカ諸国の所得の伸びが低いということもあります。また、長期トレンドで見ると、世界的に景気循環の上昇過程にあるので、上がったものは下がるわけで、先々が不安とも指摘しています。これはいかにもエコノミスト集団であるIMFが言いそうなコメントです。

ただし、賃金の伸びが低いということは非常に気になります。各国のコアインフレ率をアメリカ、ユーロ、日本と見てみると、日本はさすがにゼロからやや戻ってきている状況です。グラフでは上がってきているように見えますが、日本はあまりにも水準が低いところでの動きです。他を見ると、アメリカは上がっていたものが少し落ちているところです。ユーロも経済が良いという割に、足元のインフレ率は低下しています。ここに不安が現れています。やはり賃金の伸び悩みで個人消費が刺激できないのです。家計がお金をじゃんじゃん使おうという気には、到底ならないという賃金環境なのだと思います。

アメリカについて詳しく見ると、総じてまずまず良い状況にあると言えます。景気全般、コンフィデンスも順調、雇用も持続的に毎月20万人増加しています。資産価格も株価、住宅ともに結構上昇しています。やはりアメリカでもっとも心配なのは物価であり、足元ではCPIが2%割れてきています。

それぞれの統計を見ると、コンフィデンスはISM製造業、非製造業ともに回復基調です。雇用も20万人ペースの増加トレンドが維持できています。個人消費については、自動車販売が7年連続前年を上回っていたので、私は2017年は息切れとなるという見方を示してきましたが、こちらも思いのほか健闘しています。

今回私もテキサスに行って見てきましたが、ヒューストンあたりで車が水浸しになり、この買い替え需要が相当出たことにより、10月の販売はかなりの伸びとなっています。そして住宅も、データ的には依然として右肩上がりを継続しています。非常にホットであったテキサスの不動産について視察をしてきましたが、足元11月にはさすがに一服感が出てきているということでした。在庫もやや増えてきて、久方ぶりに少し落ち着いているという話でした。

しかし、労働者の数では、トヨタの本社がカリフォルニアからテキサスのプレイノというところに移ったことにより、4,000人ほど増えています。近くにはNTTデータの大きな建物も建っていました。環境としてはどんどん労働者が必要とされているのは明らかです。このように個人消費は悪くないということで、物価以外はアメリカも今のところ心配することはあまりないだろうと思われます。

むしろ心配なのは、トランプ政策がどこへ行ってしまったのかという点です。いろいろなことを言っていたわけですが、あまり具体的に進んではいません。法人税減税もペンディング状態で、マーケットからするとあまり急激なことがない方がある意味安定はするのですが、今後どうなるのかは不透明です。経済成長率を2倍にする、インフラ投資を10年間で1兆ドル、雇用も10年間で250万人、これについては毎月20万人増えているので10年間でそのくらいにはなりますが、政策の多くの部分が進んでいない状況です。

私はかねがねトランプ政策は危険だと言っていたので、それがむしろ今は止まっているので危険はないということになります。ただその代わりに、刺激されると思われていた部分があまりなく、今回のFRB議長もかなりポリティカルな色彩が濃い人だとするならば、どんどん景気が良くなり、財政刺激があってインフレになり、景気悪化といった循環ではなく、もう少し違う道をたどる可能性もあるだろうという気もしてきています。

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ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「株式・資産形成実践コース」講師
田口 美一
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