グローバル・マネー・ジャーナル

2015.4.15(水)

アクティブ運用比率高める巨大なクジラ(大前研一)

グローバル・マネー・ジャーナル

アクティブ運用比率高める巨大なクジラ(大前研一)2015/04/15(水)


大前研一学長総監修 資産形成力養成講座 グローバル・マネー・ジャーナル 「最新・最強・最高」クオリティの金融情報とデータ!

第389回目発行!資産形成力養成講座メルマガです。

大前研一
メルマガをご覧の皆様、こんにちは!
ビジネス・ブレークスルー 資産形成力養成講座 事務局の加藤です。
このメルマガでは、皆さんの資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびにプロとして活躍している 一流講師陣の視点から、毎週リアルタイムにお届けしていきます。今回は金融リアルタイムライブよりコンテンツを一部抜粋してお届けいたします。資産形成を実現するためのとっておき情報を、最後までどうぞご覧ください。

【新年度より資産運用の学習を開始!】4月24日(金)15時まで

アベノミクスによる円安・株高を背景に、銀行預金ではない金融資産で運用する方向に関心が向かう今、資産運用の考え方、実践を学ぶ講座で基礎からしっかりと学びませんか? 「自ら考え、自ら行動を起こし、自らの手で資産を形成すること」 資産運用への第一歩をサポートしてまいります。

【無料メールセミナー】グラフで分かる日本経済! 登録無料!

【無料説明会】 東京・麹町(4/16、4/21)で開催!(5月も開催) 書籍プレゼント付!

今回のテーマ

アクティブ運用比率高める巨大なクジラ(大前研一)

【日本】2015年度からアクティブ運用比率高める方針 ~GPIF~

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2日、これまで中心だったトピックスなど市場全体の動きに連動する投資手法から転換し、今後は成長企業を選んで投資するアクティブ運用の比率を高める方針を明らかにしました。相場全体を押し上げてきた公的マネーが、企業の成長性を見極めるようになることで、投資家からの評価を高める企業努力が一段と重要になりそうです。

 このように言われていますが誤りで、インデックスで買っていると、2万円まで株価が上昇した今、全体が暴落したときに非常に怖い状況になっています。したがって、インデックスで買っていれば暴落したらもろともなので、アクティブ運用と言うとかっこいいですが、暴落した時にも大丈夫な会社を選別して運用しようと言うのです。年金ファンドはかなり買いすぎましたが、国債から株への流れの中、まだまだ買わなくてはならず、インデックスでやっていくと痛い目に遭うことから、個別を見始めたということなのです。

 その中、世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金が2014年末時点で保有する日本株の総額は4兆8000億円と、前年比3割増加したことがわかりました。事業の構造改革や円安を背景に日本企業の成長への期待が高まっていることが主な要因で、海外からの資金流入が株式相場の下支えになっている現状が示されました。

 ノルゲスバンクが運用するノルウェーの政府系ファンドは、世界最強のファンドと言われています。アブダビ投資庁やサウジアラビア通貨庁、中国のCIC等を上回る世界最大の資産規模を持っています。

 このファンドは日本株も5兆円ほど持っているわけですが、非常に細かく見ています。トヨタをはじめ、日本のメジャー企業の株を多く保有しています。また、小型株も非常によく調べていて、会社によっては全株式の5%ほどを保有しているところもあります。ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイも一時5%ほど保有していましたが、社長のネット炎上問題で売却しました。こうしたことも含め、非常に細かく日本企業のことを調べていることがわかります。

 今の日本株は非常に好調ですが、この後下がり始めると少し売ってくるでしょう。ただ、長期投資目的なので、全部売ってしまうようなことはしないでしょう。その意味ではいわゆるヘッジファンドとは異なっていて、非常に安定した長期投資をしているのです。投資先は全て公開しているので、投資の参考になると思います。

【日本】業況判断指数(DI)プラス12で2014年12月と同水準~日銀短観~

 日銀が1日に発表した全国企業短期経済観測調査=短観は、大企業製造業の景況感を示すDI(業況判断指数)が+12と、前回の去年12月の調査と同じ水準にとどまったことがわかりました。

 アベクロ景気が踊り場に差し掛かってきていることが示されたわけです。物価もこれ以上上がりそうもなく、原油価格の下落のせいにしていますが、それを除いても思ったようには物価は上昇していません。給料も上がっているものの、まだそれでは不足なのです。アベクロ景気は、経済原則に基づかない、日本人の心理にも基づかない、物理的に金を突っ込み何とかなるだろうと言ういい加減なものに基づいた景気なので、ここにきて景況判断も踊り場的になって来ていると言えるでしょう。

【EU】英議会解散で5月総選挙へ 「EU脱退」に関する選挙も

 イギリス議会が先月30日解散し、5月の総選挙へ向けた戦いが始まりました。イギリス紙ガーディアンの議席予測によると、保守党と労働党はいずれも単独政権の樹立が難しいとみられる一方、北部スコットランドの独立を求める左派スコットランド民族道が第三党に躍進する勢いだということです。

 キャメロン首相がうまい連立を組み政権を持続したとしても、イギリスがEUに残るべきかの選挙をすると公約しているので、イギリスのEU脱退という方向に行く可能性もあります。今でも保守党は自由党と組まないと政権を維持できないわけですが、今回はもっと深刻で、スコットランド独立党と組まないとうまくいかないかもしれません。また、UKで一番大きなイングランドでもEU脱退を要求する政党が伸びてきていて、全く予断を許さない状況なのです。

 保守党、労働党という二大政党制が崩れる中、自由民主党は今回伸びないと言われていますが、英国独立党やスコットランド民族等などがかなり議席を伸ばすとなると、どのような連立を組むのか、これまでとはまるで違う政府になる可能性があり、目が離せない状況です。イギリスはずっと二大政党できていたので、このような状況は初めてです。

 前回、自由民主党がかなり伸びたので連立を組むことで保守党は維持できたわけですが、今回は一筋縄ではいかず、相手は両方とも脱EUを掲げる政党なので、EUに残りたいキャメロン首相と組んで国民投票をするとなると、どういう態度に出るべきかとても難しい問題になると思います。前代未聞の選挙が始まったといえるでしょう。

 そして、オーストリアのシェリング財務大臣はギリシャへの金融支援について、支援には明確なルールがあるとして、基準を満たさなければお金は渡せないとの考えを示しました。

 ツィプラス政権は選挙後非常に勢いが良かったものの、徐々に勢いを失い、基本的にギリシャは4月末でお金がなくなってしまうという状況の中、ギリシャの銀行からもお金が出ていっているような事態です。いよいよ政府としては緊縮財政側に明確に説得するポリシーを打ち出さないとお金も来ないということになるので、4月末には決着がついてしまうでしょう。

 その前にアルファ銀行を除く4つの銀行が立ち行かなくなる可能性もあり、少なくともEU、IMFはギリシャへのつなぎ融資もしないとしているので、私が当初から想定していたギリシャのユーロ脱退も視野に入れた動きになってくるだろうと思います。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
4月5日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
詳しくはこちら

資産形成力養成講座 加藤

資産運用はインフレ経済下で特に重要になります。デフレ下では資産運用をしなくてもモノの価値が下がっていきますが、インフレ下ではモノの価格上昇を超える運用をしなければならないからです。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡りますので、総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!

【無料メールセミナー】グラフで分かる日本経済! 登録無料!

【無料説明会】 東京・麹町(4/16、4/21)で開催!(5月も開催) 書籍プレゼント付!

資産形成力養成講座では、Facebookページでも金融にまつわる最新ニュースなどご紹介しております。ぜひこちらもチェックしてください。

「資産運用を日本の国技に!」「世界最適運用で世界標準の5%~10%の利回りを目指せ!」大前研一学長の掛け声のもと、2006年にスタートした資産形成力養成講座。5000名を超える受講生が学んできました。

これまで長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。欧米では学校教育で「お金」について学ぶ機会がありますが、日本ではほとんどありません。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めませんか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!