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2015.6.10(水)

株式高値圏下のコモディティ投資(近藤雅世)

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株式高値圏下のコモディティ投資(近藤雅世)2015/06/10(水)


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今回のテーマ

株式高値圏下のコモディティ投資(近藤雅世)

原油価格の方向性を見定める

 NY原油価格は60ドル前後で動きが止まっている。世界の投資家は原油価格がどちらに動くか固唾をのんで見守っているところであろう。上げ要因としては、米国の原油在庫が減少する可能性があることだ。これは米国の石油生産量が減ったというわけではなく、原油価格と石油製品価格の利鞘(クラックスプレッドという)が大きくなっているため、石油精製設備稼働率が上昇し、原油投入量が増加しているためである。そのため、原油在庫が減少傾向となっている。

 米国の今後の原油需給は、二つの説がある。一つは原油生産はそれほど上がらず、ドライブシーズンを迎えてガソリン需要が伸びる分だけ原油需要が増加して在庫は減るという説と、原油の輸入量が減少から増加に転じるため原油在庫はそれほど減らないだろうというものである。

 米国の原油輸入量は減少傾向に歯止めがかかっている。米国の石油生産量は減少傾向が止まり横ばいとなっている。稼働リグ数も減少がほぼ止まっている。これは、効率の悪い石油リグが既に稼働を停止して生産効率が上がり、米国のシェール石油生産コストが下がる一方で、原油価格が上昇したため採算が取れるようになり、サウジアラビアやOPEC諸国が望むような米国の減産は打ち止めとなっている。

 世界の需給に目を転じれば、これは明らかに供給過剰である。OPECは6月5日の総会で、目標生産量を日量3000万バレルで据え置いた。実際には4月の生産量は3084万バレルで、昨年7月以来今年の2月を除いて目標を上回る生産を行っており、世界の需要が9,250万バレルと見込まれるのに対し、非OPECの生産が6,318万バレル、4月のOPECの生産量が3,084万バレルで供給は9,402万バレルあるため、約15万バレルの供給過剰となっている。

 更に4月に282万バレルであるイランは、6月末に原子力発電で6か国協議の合意がされれば、経済封鎖が解除となり、すぐにでも300万バレル以上の生産を行うと宣言している。こうした世界の流れから見れば原油価格は再び下落を始める可能性が高いと思われる。

金・穀物の商品価格動向

 NY金価格は1150ドル前後で横ばいとなっており、米連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)でいつ利上げがされるかが大きな変動要因となっている。厳冬などの影響により第1四半期の米国GDP成長率は、年率換算で前期比0.2%増と、市場予想(1.0%増)を大きく下回った。米アトランタ地区連銀は、4月の米貿易赤字が予想以上に縮小したことを踏まえ、第2四半期の米経済成長率は1.1%になるとの見通しを示し、2%を予想するアナリストもいる。

 米国の5月の雇用統計は、失業率が5.5%(予想は5.4%)に上昇したが、非農業部門雇用者数は28万人増加(予想は22.6万人増加)と予想以上であったため、こうした情勢を踏まえて、FRBは早ければ9月のFOMCで利上げを決定し、来年初旬に追加利上げを実施するとの観測が高まっている。米国の利上げは金価格の下落要因となり、こうした事前の利上げニュアンスがでるたびに金価格は下振れするだろう。

 また、ドルは利上げを先取りする形で上昇しているが、ユーロ/ドルを見る限り、3月13日の1.046ユーロ/ドルを下値に、6月4日には1.138ユーロ/ドルと上昇機運を見せている。米国の景気回復と欧州圏の景気回復の競争であるが、OECDによれば、2015年のGDP成長率予想で上位20カ国の中に欧州圏諸国がアイスランド、アイルランド、ポーランド、ハンガリー、スロバキア共和国、スペイン、スウェーデン、英国と8カ国が2.4%以上の経済成長をすると予想しており、米国の2.0%を上回っている。ちなみにドイツは1.6%、フランスは1.1%、日本は0.7%、イタリアは0.6%である。

 穀物価格は今のところ作付から生育が極めて順調に作業が進展しているため、このまま天候異変が無い限り豊作となる見込みである。ただ、南米チリ沖の海面水温は上昇しており、5月12日の気象庁によるエルニーニョ監視速報によれば、『エルニーニョ現象が発生しているとみられる。 昨年夏からエルニーニョ現象が発生しており、冬に一旦弱まった後、春に入ってから再び発達しているとみられる。』と述べられており、これが世界各地に今後どのような気象変化を及ぼすかは注目されるところである。

 北米の穀物は7月4日前後2週間の天候がカギとなるので、この時期に高温少雨となれば、穀物価格は上昇する可能性がある。

コモディティ投資の活用方法

 短期的な商品投資はなかなか難しいと思われる方は、インデックス投資等を利用されるのも投資の考え方である。個別銘柄の短期的な変動を予測するというより、これまで株価の時代が2012年以降続いているが、そろそろ高値圏に達したと思われれば、この間に低迷している商品価格に資金の一部を投じるのも良いかもしれない。また純金積立や純プラチナ積立のようなドルコスト平均法を利用して、価格に頭を使うことなく、自動的に貴金属を貯蓄する方法もあり、一口3000円から行える。この場合、投資先のクレジットリスクがあることは注意されたい。

 5月に東京商品取引所でゴールド100という取引が始まった。これは為替と同じで限月のない取引であるので、純金積立をレバレッジをかけて自分で行うことができる。証拠金は1万200円/100gなので、現在約4700円/gしている金を毎月純金積立なら47万円積み立てる効果を毎月1万円強で行うことができる。つまりレバレッジが47倍ということである。

 ここで注意しなければならないのは、金価格が100円下がると100gに対して1万円の評価損失となるため、追い証がかかるということである。だから、最低でも買う枚数の10倍以上の資金を預けておくことが肝要である。例えば10万円預けておけば、金価格が1000円下落することまでは耐えられる。金価格が3700円以下になればさらに1枚当たり10万円を差し入れる必要が生じる。この取引の場合は、取引所という公的機関相手であるので、クレジットリスクはない。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長
近藤 雅世
講師より寄稿いただいた内容をご紹介しております。
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資産形成力養成講座 加藤

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!