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2015.7.22(水)

中国市場のバブルは崩壊したのか?(大前研一)

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中国市場のバブルは崩壊したのか?(大前研一)2015/07/22(水)


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今回のテーマ

中国市場のバブルは崩壊したのか?(大前研一)

【日本】生活「苦しい」62.4%で過去最多 ~厚生労働省~

 総務省が1日発表した、1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、国内の日本人の人口は前の年に比べ27万1058人減少し、1億2616万3576人となりました。人口減は6年連続で減少数は調査を始めた1968年以来最大となります。

 以前から言われていた事ですが、27万人の減少となりました。そのうちに50万人ずつ減って来ることになり、ちょっとした県の人口と同人数くらいが毎年失われて行く時代に突入しつつあるということです。

 一方、厚生労働省が2日に公表した2014年の国民生活基礎調査によると、生活を苦しいと答えた世帯は前年に比べ2.5ポイント増加の62.4%と過去最多になりました。また日本生命保険がまとめた調査結果によると、今年夏のボーナスの平均支給額は前の年に比べ0.1ポイント増加し、594000円となりましたが、アベノミクスの効果を感じないとの回答が74.1%に上ったということです。

 トヨタをはじめ経団連の中核会社は西部戦線異常なしと報告していますが、全体的に見ると必ずしもそうではないのです。各世帯の平均所得額の推移を見ると、子供の居る世帯は少し上がってきていますが、全世帯で見るとじり貧になって来ています。

 生活意識については、大変苦しいという割合が2004年に23%で、10年経過した去年は29%に増加、やや苦しいは、32%のまま変っていません。これについては、もしかしたら日本人は、それほど大変ではなくても大変苦しいと言いたがる心理が増えて来ているのが原因かもしれません。例えば、家計について「貴方は家計に余裕がありますか」と調査をすると、余裕がないという回答が多いのです。どのくらいゆとりが有るかと訊ねると、月せいぜい5000円という回答が一番多いと言われています。それなのに、何万円もするPS3を子供に買っているのです。

 日本人はこうした問いに答えるときに、集団心理として苦しいという人が段々増えて来ているので、実際に苦しいかどうかの判断は難しいと言えます。物価はそれほど上がっておらず、安い物もたくさんあります。心理面での変化も合わせて考えないと、状況を読み間違えるでしょう。安倍首相がこれをみて、自分の政策にも関わらず、苦しい人が増えていると判断するのは過剰反応で、こうしたことが統計調査を取るときに一番難しいところです。

【日本】日銀の株式購入額1兆6737億円 ~2015年1-6月~

 日経新聞が4日報じたところによると、2015年上期、1-6月の日銀の株式購入額は1兆6737億円と、2014年下期の約2倍に上り、外国人投資家に次ぐ買い手になったことが分りました。日銀の購入は株価を直接押し上げる上、投資家に心理的な安心感を与える効果が大きく、日銀という公的マネーの存在が日本株の底堅さを支える大きな要因になっていると指摘しています。

 日銀の他にもGPIFが大幅なインデックス買いをしているので、株式市場はその意味で官製相場と言えます。それに乗っかっているのが外国人投資家です。ただ、外国人は逃げ足が速いので、少しでも様子がおかしくなるとさっさと逃げてしまいます。一方日銀は、逃げ足は遅いと思います。グラフからも日銀のETF保有残高はうなぎ上りであることが分ります。

 また、トヨタが新型株を出したことがビジネスウィークで取り上げられています。トヨタが最近出したのはハイブリッドカーではなく、トヨタ式AA型種類株というもので、5年間は売り買い出来ないとされ、価格設定期間の普通株終値の約3割高く購入する代わりに元本は保証するというものです。ただ、こうしたもので株式市場を歪めて、トヨタの本当の姿を見えなくするようなことを何故やる必要があるのでしょう。

 トヨタとしては客層を分散し、いろいろな人に持ってもらいたいとしていますが、ストレートに普通株を出して資金調達をする方法に対して、あるものは元本保証で5年後は普通株にも転換出来るとなると、やはり市場の混乱要因にもなります。これは好ましいものではないという意見もありますが、今トヨタがやる事は何でも許されるところがあるのでしょう。株の値段を固定して何種類もの株を出すと、やはりストレートに会社を見ることができなくなるので、あまり良いやり方ではないと思います。

【中国】「中国市場のバブルは崩壊」~IMF~

 8日の上海総合指数は下げ幅を拡大し、前日比5.4%下落して取引を終了しました。しかし、翌9日は当局が対策を矢継ぎ早に打ち出したことを受けて反発。上場銘柄全体の50%の売買が停止される中、指数を構成する銘柄のうち約600銘柄がストップ高となりました。

 今回の上海株の動きを見ていると、中国当局の管理能力の無さが如実に現れています。株式市場を道具に使ってはいけないという大原則を中国政府は分っていないと思います。まずは土地バブルが崩壊し、次には株式市場でみんなを金持ちにしてやるとがんがん煽って、1年で2.5倍にしてしまったのです。それが30%、40%落ちてきているので、当たり前の展開です。

 そして今度は中央銀行に対して、証券会社にどんどん金を貸して株を買うようにさせたり、5%以上株を持っている人は売り買い禁止にしたり、さらには50%の企業は売買停止ということで、官製相場もいいところです。それで株価が戻ったなどと言っているのは、株式市場をなめていると言えます。この咎めは必ず来ると思います。それと同時に機関投資家は、予測不能であり、ひどい官製相場であるので、中国株を組み込めないと判断するでしょう。

 また、だれかスケープゴートが必要ということで、証券当局のトップを更迭するということもしています。政府そのものが、株式市場が良い間は、経済が良い状態だなどとイカサマなことを言い始め、一年間で2.5倍に持っていくというとんでもないことをやったのです。政府が不動産をなめていた、株式市場をなめていたわけで、余り経済をバカにしない方がよいでしょう。いくら計画経済と言っても、世界から見ると非常識にも限度があると思います。中国政府のこうした行動はみっともなく恥ずかしいことだと思います。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!