中国証券監督管理委員会は13日、財務ソフトウエア大手、恒生電子について、調査を開始したと発表しました。恒生電子は店頭市場の信用取引をクラウド上で支援するプラットフォームを運営しており、公式に認められているレバレッジの最大10倍を融資することが可能です。このサービスが株価の急落を引き起こしたとの社会的不安が広がっていました。
もしかしたらその通りかもしれませんが、もしかしたらスケープゴートかもしれません。今回の中国の株価急落については、国民の怒りが非常に大きいので、悪人をきちんと見つけて政府も犠牲者だということにする必要があるのです。借金をしてでも株を買い、何倍かで儲けるというレバレッジは、アメリカの大恐慌の前もブローカーズファンドというある意味闇金融で5倍まで借りて取引されていました。当時は株が上昇していて、中国と同じような状況だったのです。中国でもそのレバレッジをやっている人が圧倒的に多いのです。
中国人はほどほどに儲けるというやり方をせず、儲ける時は全部賭けてしまうというやり方をします。それにより、株価の下落の影響が非常に大きくなるのです。恒生電子が意図的にやっていたかどうかは不明ですが、政府はとりあえず調査をしているとして人々の関心をそちらに向けていると思われます。一方、この会社はアリババ系の会社で、経営権を持つジャック・マー氏はとんでもないことだと言っています。
中国のバブルは350兆円の大きさだとビジネスウィークが表紙で伝えていて、中国のバブルは誰が弾けさせたのかという記事が掲載されています。そのスケープゴートがアリババではないかという展開になってきているのです。実態はよくわかりませんが、やはりアメリカもイギリスを抜いてから一本調子で上昇し、株式市場が湧きに湧いて、最終的にはレバレッジを5倍までかけ、さらにその資金を貸してくれる闇金融、ブローカーが出てきていたわけです。
中国でも同様にノンバンクから借りて信用取引に貸していくというやり方が広がり、株価は一年で2.6倍にもなったのです。政府も、土地の市場が陰ってきたので、株で景気をなんとかしようと、株をやれとけしかけてきました。それによって国民が豊かになりかけたので良いと思っていたわけですが、実際の会社の実績が上がっていないのに株があがることはありえないのです。株はそもそも時価総額というものから見てもわかるように、会社の利益が未来永劫続いた場合の現在価値です。企業の業績が上がらず、全体的に輸出も低迷し、成長も止まってきて困っている状況で株が上がる理由は、バケツの中に金を突っ込むから沸騰しているだけなのです。
このような人為的な株価の上昇は、後から見ると非常にわかりやすいものですが、アメリカも日本も1989年までは同じような状況でした。中国は今まさにそういうところに来ていて、ここから先は、さすがにマッチポンプはできないと思います。今、追い証が発生するところが多いので、とりあえず株価を少し戻してあげて凌ぐことになりますが、5%以上持っている大口株主は現在取引を禁止されています。半年後に取引できるようになった時にドスンと株価が下がることは明らかです。とりあえず目の前で急落すると困るということでこうした措置を取っているだけなのです。
中国人民銀行は14日、海外の中央銀行、政府系投資ファンド等を対象に、中国の債券市場への参入条件を緩和すると発表しました。中国は今年IMFのSDR(特別引出権)への人民元の採用を目指しており、各国通貨当局などが人民元を運用しやすい環境をアピールし、採用を後押しする狙いとみられます。
今は誰でもいいから来てくださいと、これまで色々と規制していた部分も緩和するという政策を出しています。しかしもう手遅れという印象です。
日経新聞は18日、「東南アジアからマネー流出」と題する記事を掲載しました。東南アジア新興国の株式市場で外国人投資家らの売却が広がり、多くの国で通貨も下落しているということです。
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