麻生財務大臣は20日、自民党内で企業の内部留保への課税を検討する動きがあることについて、「二重課税になり得るのは言わずもがなの話。内部留保課税の話を財務省内で検討させているという事実はない」と否定的な考えを示しました。また、菅官房長官も、「そこまでしなければ経済界のマインドが変わらないのか、政策的な議論を深めることが先決」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
今回安倍首相が経済界の人々を呼び、内部留保をいっぱい持っているではないかと指摘しました。内部留保は350兆円に上っています。そこで、それを使って設備投資をするか賃金として払うよう要請したのです。
しかしこれに関しては、企業はやりたい設備投資は海外にはあるものの、国内にはなかなか考え付かないという状況です。経団連などは協力しましょうとニコニコしながら話を聞いていますが、こうした議論は間違っていると言えます。また、海外に置いている資産で、内部留保としていないものも結構あるのです。そうしたことで、内部留保に課税をするということ自体は懲罰的で、金を持っていたら殺してやるという感じにも聞こえます。
また、高市氏と安倍首相の議論を聞いていると、これも不思議です。安倍首相は、携帯電話にお金を使っているので消費が上向かないとして、携帯電話の値段を安くしろと言いました。これをどう聞き違えたのか、安倍首相べったりのはずの高市氏は、携帯電話の安値競争が行きすぎていて、ちゃんとした価格設定になっていないと言っているのです。結果的に、安倍首相は携帯を安くしろと言ったのに、高市氏はちゃんと値段をつけろと言っているわけです。二つの話がどうつながるのか、よくわかりません。
政府がわかりもしないのに、とっさの思いつきや会議に出た無責任な委員の意見でいちいち騒ぐのは悪い癖だと思います。今の安倍政権は基本的な安倍黒経済さえきちんと動いていないのに、電話代が高いから消費がダメだとか、法人税下げてやるから投資しろだとか、経営や経理を全く知らない人の意見を押し付けるのです。法人税を下げてやるから給料を上げろなどというのは全く漫才の世界です。法人税を下げて残るのは、内部留保と配当用の資金だけです。給料はその前に入ってくるものなので、全く理解できません。
企業経営についてこのくらいしか知らない人たちが、ああでもない、こうでもないとやっているということなのでしょう。350兆円も貯めこんでいて守銭奴だという言葉を麻生氏が使ったことも驚きです。政治をする人も少しは経営を勉強してからものを言ってもらいたいものです。また、政治家のアドバイザーも学者ではなく、経営をした人に見てもらわなくてはダメだと思います。
|