グローバル・マネー・ジャーナル

2016.3.23(水)

方向感がない金価格と原油価格(近藤雅世)

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方向感がない金価格と原油価格(近藤雅世)2016/03/23(水)


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今回のテーマ

方向感がない金価格と原油価格(近藤雅世)

方向感がない金価格と原油価格

 最近の金と原油の価格は方向感の無い展開となっている。ここ当分NY金価格は1,200ドル~1,300ドル、NY原油価格は35ドル~45ドルの間で動くような気がする。

 直近の動きではFOMCで利上げが無かったため、また、今年中は2回の利上げしかないことが表明されたため、ドル安となり、商品価格が高くなっていることだ。

 下のグラフは16年1月4日を100とした指数で3月21日のドルインデックスが▲3.8下落し、NY金が16.6上昇、NY原油は7.3、シカゴトウモロコシは4.4上昇していることを示している。いずれもドル安=商品高を表している。

 3月15日までの週のファンド建玉を見ると、NY金は少し売られ、NY原油は引き続き4週連続で買われている。穀物は買われ、日本円は5週連続で買われているのに対し、ユーロは3週連続で売られ、ドルは6週連続で売られている。NY原油に対するファンドの売り残の動きを見ると、グラフのように、原油価格と0.84というかなり強い正の相関関係があることがわかる。売り残は、2月9日のピークの33万枚から20万枚まで減少しているとはいえまだ多い水準であるため、買戻しがあるかもしれないが、勢いは小さくなるだろう。

 それより、証券投資家が購入している原油のETFは、原油価格が40ドルを超えてくると、売られるのではないかと思われる。米国の原油在庫は5週連続で増加しており、世界の石油在庫も過去5年比でかなり多い水準にある。米国の石油稼働リグ数は減少傾向にあるが、原油生産はそれほど減ってはいない。EIAのShort Term Energy Outlookでは世界の非OPECによる原油生産量は思ったほど減らないと述べている。

 一方で、原油需要は中国の景気後退等により増加傾向が鈍っている。EIAは、2016年の世界の石油消費量は日量9,417万バレル、非OPECからの原油供給は日量5,713万バレル、OPECからの原油供給量は日量3,817万バレルと予想し、供給量は合計9,529万バレルとなるため、供給から需要を差し引いた需給バランスは日量112万バレルの供給過剰状態にあるという。

 同様に、OPECのOil Market Report 3月号では2月の実際のOPECの生産量は日量3,860万バレルだったため、受給は日量76万バレルの供給過剰と述べている。

 産油国は4月17日にドーハで会議を開催することを決定したが、それまでに1月の生産量で凍結する必要があり、イランは経済封鎖の解除の前の生産量としているなど、足並みはそろわないと思われる。産油国は原油価格下落により歳入が縮小し、財政赤字になっているため、簡単に減産や生産凍結は難しいのではないかと推測される。EIAは今年の価格を35ドルと予想しているが、それが正しいとするなら3月21日の39.91ドルの価格は少し高いことになる。

パーム油の国際価格が上昇 その影響は?

 このところパーム油価格が上昇し、それに釣られて大豆油価格も上昇している。揚げ物などに使う食用油となるパーム油の国際価格が、1年9カ月ぶりの高値をつけている。指標となるマレーシア市場の先物価格(期近)は1月4日は1トン約2,436リンギだったが、2月中旬以降に2,500リンギとなり、3月22日2,712リンギと年初に比べて+276リンギ約+11%上昇しており、2014年5月下旬以来の高値圏にある。

 油ヤシの収穫量が減ったことが材料視された。マレーシアやインドネシアは、パーム油の原料となる油ヤシの主な産地で「油ヤシの実がつきにくかったり、実が小さくなったりした」(油脂加工会社)という。ペルー沖周辺の海域の海面水温が平年に比べ高くなる「エルニーニョ現象」が発生。産地で降雨量が減ったことが響いたもようだ。

 マレーシアにおける1月のパーム油生産量は前年同月比約3%減った。前月比での減少は3カ月連続。一部地域で減少幅が大きい。1月末の在庫は、直近で最多だった15年11月に比べ2割少ない。パーム油の上昇は他の食用油の相場にも影響している。中国やインドで競合する大豆油は、シカゴ市場の先物価格は1ポンド30セント台。1月中旬の安値に比べ約6%高く推移している。

 また東南アジアのパーム油価格の上昇は、シカゴ市場の大豆油価格の上昇にも影響している。1月4日のシカゴ大豆価格は29.93セントであったが、3月23日は、33.84セント、+3.91セント、+13%の値上がりとなっている。おそらく今後家庭用の食料油価格が上昇することになるだろう。

 穀物価格は毎年春高になる傾向がある。3月末に米国の作付意向面積が公表されるが、いずれにせよ今年の天候がどうなるかは誰にもわからない。それなら、万一の不作に備えて買っておこうという思惑が入るものと思われる。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長
近藤 雅世
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