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2016.4.6(水)

中国不良債権残高拡大!問題の規模を探る(大前研一)

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中国不良債権残高拡大!問題の規模を探る(大前研一)2016/04/06(水)


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今回のテーマ

中国不良債権残高拡大!問題の規模を探る(大前研一)

【日本】2015年末の家計金融資産残高 1741兆円で過去最高

 国土交通省が22日に発表した2016年1月1日時点の公示地価は、全国平均で前年から0.1%上昇し、2008年以来、8年ぶりにプラスに転じました。

 ゼロ金利の時に何が起こるかというと、当然のことながら不動産のうちキャッシュを生むものに投資をしていこうという動きが出ます。できればこれから投資するものではなく、既存の物件でキャッシュを生むものの方をうまく使うということになります。時あたかもAirbnbが盛り上がっていて、そうしたものでキャッシュを生んでいくことになるのです。資産をキャッシュにし、そのキャッシュでまた資産を手に入れて、またキャッシュにする、こうした動きがちょうど出てきたので、これから不動産はそれほど大きくは上がらないものの、キャッシュを生む優良不動産はまだ上がる余地があると思います。

 公示地価の圏域別変動率を見ると、商業地の上がり方が非常に大きいのがわかります。民泊ができるということになれば、そこの価値は相当上がると思います。ただ、住宅地では民泊はできないとされているので、「民泊」とは言え、それは商業地とみてよいのです。人が来て泊まってくれるところはまだまだこれからもいけるということなのです。

 日銀が25日に発表した資金循環統計によりますと、2015年末の、家計の金融資産残高は、前年末に比べて1.7%増加の1741兆円と、現在の統計が始まった2005年以来最高となったことがわかりました。

 これは悲しい話ですが、企業の金融資産も1100兆円を超えています。金融資産の推移を見ると、家計の場合1700兆円を超えていますが、その半分以上が「現金・預金」です。金利が付かないものに半分以上も置いていて、少しは痛痒を感じないのかと思うのですが、日本人の場合、そうは言っても現金預金となるのです。このような稀に見る鈍感さが日本人にはあるのです。

 さらに今ではゼロ金利を勘違いして、実際はほんの少し、0.001%程度は付くわけですが、それをゼロと思って自宅に現金を置いておく人が増え、金庫が売れているとも言われています。

 金利が付かないことで株式の方に来るかと思えばそうでもありません。本来ならこの金融資産から資金が大きく抜けて、不動産の方に向かうことになるものですが、日本の場合にはその傾向も見られないのです。個人にとって不動産は、一生に一戸を取得して、それが終の住処と思われているわけで、そうした発想をやめなくてはいけないのです。不動産は人に貸してなんぼのもので、キャッシュに変えるというぐらいの発想でなくてはならないのですが、全部自分のものとして、負債を背負い込んで買ってしまうのです。そして最後にこのように現金・預金として持ってしまうのです。

 ただ、この個人金融資産の数字は非常に重要で、この個人金融資産の65%は60歳以上の人が持っているのです。安倍首相は給料を2%上げるなどと大げさに騒いでいますが、給料は総額でも200兆円なので、2%上げたところで4兆円です。しかし、高齢者の人がこの個人金融資産を1000兆円としても、そのうちから2%を使ってくれたら20兆円になるのです。こちらの方が遥かに景気には効くわけです。額では5倍の効き目があるのです。それにもかかわらず、それを使えとは全く言っておらず、使いやすいようにしてもいないのです。

 高齢者は、将来が不安だと言ってお金を貯めているわけなので、将来の不安を私が取り除いてあげます、みなさん本当にいい人生を送ってくださいと、毎日言い続ければ少しは変わるはずです。しかし、給料を上げろ、上げろと言い続け、極わずかの会社が給料を2%弱上げるということをしていて、これでは完全に的が違っているのです。これが、クルーグマン氏や安倍首相、浜田氏などがみんな狂っているという理由なのです。

【中国】不良債権残高約22兆円 融資先の財務悪化で2年前比倍増

 中国銀行業監督管理委員会の統計によりますと、2015年末の中国の金融機関の不良債権残高は1兆2744億元、約22兆円と、2年間で倍増したことがわかりました。

 このこと自体はどうでもよいのですが、中国の民間債務が2578兆円に上り、GDPの200%を超えているということが大きな問題です。これは半端ではない数字で、この民間債務をどうやって軟着陸させるのかということが課題です。日本の失われた20年の初期の頃もこのような状況でした。

 また、日本で言うノンバンク、中国では理財商品により、雪だるま式に借金が増えているのです。これをどうやって軟着陸させるのかは、さすがの李克強氏もわからないわけで、このことが非常に重要な問題なのです。地方政府も民間企業も皆ここに含まれているので、そう簡単ではないと思います。これが今、世界的には最も大きな地雷になっているのです。

【ノルウェー】政府年金基金 日本株保有額 前年末比約1兆1000億円増

 世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金の2015年末の日本株保有額は約5兆9500億円と、前年末に比べ約1兆1000億円、24%増加したことがわかりました。日経平均株価の上昇率9%を上回っての増加です。

 1兆円以上買い増しているということですが、ノルウェー政府年金基金の日本株への投資額を見ると毎年大きく増加しています。金利ではもう稼げない時代なので、株で利益を拾っていくということです。ただ、日本株も一時良かったものの今は下落局面で、いついかなる時にこのファンドが投資を減らしていくということになるかはわかりません。

 このファンドは北海油田で得た利益を積み立てて運用し、それを年金にしようというもので、国が北海油田の利益で将来の年金給付に備えて運用してくれているのです。その年金基金をマネージしているのがノルゲスバンクで、そういう機関が日本株をおそらく世界のどこよりもたくさん持っていると思われます。そこが買い増しをしていたことが株価上昇局面で非常にプラスになっていたということなのです。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
3月20日、27日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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資産形成力養成講座 加藤

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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!