GDPの規模の順に見ると、次に来るのは中国です。中国株は去年夏にチャイナショックがあって以来、綺麗に下げています。少し戻りましたが、インデックスは5000が3000になった状態で40%下げたまま回復を見ていないわけです。
続いて日本ですが、足元1万6500円から1万7000円をうかがう展開になっていますが、2万1000円弱から1万5000円へ6000円ほど下がったものが、3000円ほど戻す中間反騰というパターンになっている感じです。しかし正直なところ、2万1000円を回復できるようなファンダメンタルズ、マーケットの勢いは感じられない状況です。
他の国では、ヨーロッパの雄と言われるドイツを見てみると、指数は1万ポイントを割れたところで上値を切り下げて調整していて、日本同様、下げからの回復は難しい局面です。イギリスはGDP成長率が2%台半ばまできていて経済は悪くないものの、マーケットは不安気です。EUを離脱した方がいいのではないかという国民の声が上がっているのも宜なるかなという感じです。また、近々オリンピックがあるというブラジルですが、相当悪かったところから復活してきています。これはひとえに、政治が今悪いものの、今後政権が変われば良くなるという期待感で買われているものです。
しかし、どうも足元では政治のトップの不正疑惑について、白黒はっきりさせようというムードも強まっています。白黒はっきりさせたいということは現在混沌の中にあり、先が見えない状況だということです。これはマーケットには一番良くない状況です。悪いことは出てしまった方がいいのです。ブラジルは政治がすっきりと変わってよくなるという期待が出ていたわけですが、トップは辞めない、議会は弾劾裁判をすべきだ、などと揉めてきています。そうなると、ここまで頑張ってきた株価の戻りも、また調整となるかもしれません。
これら以外のヨーロッパやエマージングの株価もほぼ目立って良いものはなく、唯一アメリカが、決して良くはないものの下がらないで頑張っているという印象です。
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