グローバル・マネー・ジャーナル

2016.6.15(水)

世界の3大懸念とコモディティ動向(近藤雅世)

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世界の3大懸念とコモディティ動向(近藤雅世)2016/06/15(水)


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今回のテーマ

世界の3大懸念とコモディティ動向(近藤雅世)

世界の3大懸念とドル相関する金価格

 現在世界には三つの懸念がある。

 一つは中国の不良債権や過剰設備、過剰在庫の処理問題、もう一つはBREXIT、最後は米国の大統領選挙である。こうした不安から金はセーフヘブンとして買われている。George Sorosはいち早く今年の初めから金のETFを大量に買い、また、金鉱山株式を購入してNEW MONT MINING 社の株式の17%を握った。また、債権王Bill Grossも金は投資として魅力的であると述べている。

 すでに金価格は1月4日の1061.5ドルから6月13日の1286.9ドルまで、+225ドル、2割以上今年だけで上がっている。その背景には、マイナス金利というBill Grossに言わせれば、いつ爆発するかわからない超新星だという。こうした過去にない行き過ぎた政策は、いずれ様々な経済の歪みを発生させるであろう。

 今年に入ってからのNY金はわかりやすい動きをしている。ドル高になれば金安、ドル安になれば金高という相関計数▲0.85という高い負の相関関係ができ上がっている。そしてドル高になるのは米国FOMCで利上げがあると思われる時である。

 今週は14~15日がFOMCで、水曜日がイエレン議長の記者会見、木曜日には黒田日銀総裁が金融決定会合の後で記者会見を行う。そして、金曜日はドラギECB総裁の記者会見と続く。いずれも来週23日の英国のEU離脱を問う選挙が念頭にあり、思い切った動きは取れないであろうと予想されている。つまり今週は米国の利上げはないだろうが、イエレン議長が7月に向けてどのようなコメントを出すか注目される。7月の利上げ気分が増長すれば、ドル高金安となるだろう。そうでなければ金高が続くと思われる。

大きく変動する原油価格と穀物の今後

 次に原油について述べれば、先週は米国エネルギー省(EIA)による石油週報では、3週連続で大きな原油在庫の減少が見られた。そのため原油価格は51.67ドルまで上昇した。

 しかし、同時に公表されたBaker & Hughes社による石油・天然ガス稼働リグ数は9カ月ぶりに+4本の増加となった。これは米国のシェール企業は、50ドルなら採算が合うとして減産する必要性が乏しくなったことを示している。このことは、IEA(国際エネルギー機関)、EIA(米エネルギー情報局)及びOPEC(石油輸出国機構)の需給予測の供給予想を上方修正させるだろう。

 年後半に考えていたよりも米国の減産は少なくて済むことになり、インドや中国を巡るシェア争いでサウジアラビアとイラン、イラクは熾烈な競争をしており減産する気配はない。一方需要はそれほど急回復する見通しは立たない。したがってまた原油在庫は増え始める可能性がある。つまり、需給的に言えば弱気になっている。これが今週になって原油価格が48ドルまで下がっている要因となろう。今後も更に弱くなる気配はあるが、証券投資家はETFを通じて買いに味を占めているため、どこかでまた安すぎるという感覚から原油を買ってくる可能性はあり得る。しばらく弱含みによる反発局面が見られることだろう。

 シカゴの大豆価格は上昇している。

 作付や開花は例年以上の速さで順調に進行しており、16/17年度産の大豆の生産には問題がない。しかし、アルゼンチンでの大雨で大豆の生産量が下方修正される見込みとなり、それがファンドの買いを誘っているが、実際にはラニーニャの進展から北米の7月初めの天候が高温多雨になりやすいという予測に基づくものだと思われる。2012年の夏には北米の大干ばつがあり不作になったが、その時の価格は8月10日までであった。実際に収量がどんどん下方修正された秋口にかけて価格は急落しており、先物市場というものは噂で買って事実で売るようである。今は噂の時期であろう。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長
近藤 雅世
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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!