グローバル・マネー・ジャーナル

2016.8.3(水)

今後やってくる大きなチャンスで資産を殖やせるか?(田口美一)

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今後やってくる大きなチャンスで資産を殖やせるか?(田口美一)2016/08/03(水)


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今回のテーマ

今後やってくる大きなチャンスで資産を殖やせるか?(田口美一)

今後やってくる大きなチャンスであなたは資産を殖やせますか?

 日本は長期停滞の先進国です。もう25年も長期停滞の中にあります。私はここ3年に亘って、多くの社会人や学生の方たちと意見のやりとりをしてきましたが、皆さん真面目で、次のような同じことを言っています。株はやりません、父親や母親が株で損をしました、ゴルフ会員権で損をしました、両親から株などやってはいけないと言われています、円高になるので為替はやってはいけないと言われています、などといった考えを持っているのです。若い20代の人も同じです。投資には手を出さず一生懸命就職活動をして、できれば上場企業に就職したいと本当に真面目にやっています。

 こうした状況は世界的にも同じような方向に向かうと思います。実際アメリカも学費が非常に高く、学生ローンを返せない人が多くなっていて、おそらく今後アメリカは急激に進学率が落ちるでしょう。できれば安定した職業につきたいと言う若者がものすごい勢いで増えてきています。リスクを取りたくない、不動産も買わないで賃貸に住むと言う人も増えています。日本と同じような傾向になってきているわけです。

 日本はかつてデフレの進む中、設備投資し過ぎ、人を採り過ぎ、借金し過ぎの3つの過剰を背景に、バランスシート不況と言われてきました。そして日銀はそうではなく循環だと間違った判断をしてしまいました。しかしこうした問題を日本は25年かけて何とかクリアしてきてしまいました。もう以前のようなことで苦しんでいるところはありません。既に人手不足は深刻で、普通にしていても賃金は上がるはずです。円高に関しても海外での現地生産化を進めリスクをなくそうとしています。円高により円ベースの決算にするとマイナスですが、現地通貨建てではものすごく利益は上がっている、そういう仕組みにもう変わってしまっているのです。

 その一方で、所得は下がる傾向にあります。弁護士、歯科医、公認会計士など、専門職の給料がどんどん下がっているのです。今後一般的な企業の給与も下がっていくと思います。規制緩和が進むことは明らかで、規制によって守られていたところの給料が下がるのです。日本の給料水準を上げているのはメディア、金融機関等の規制業種です。その業種の給料が下がると大きく変化することになるでしょう。

 そして、このように本格的デフレに向かうなかで出てきたのがアベノミクスです。アベノミクスは非難ばかりされていますが、私はものすごく肯定的に見ています。アベノミクスによって円安になり、株や不動産も高くなったのです。黒田バズーカ砲についても、長期金利を下げ、金利はマイナスにまで持っていったのです。まさにジャブジャブな状態を作り出しました。

 GDPについても高くはありませんが、日本の成長力からしたら0.5%位で良しとしなくてはならないでしょう。賃上げ率についても、上がらない上がらないと言われていますが、以前より少し上がっている部分はあるのです。そしてインフレ率、こちらに関しては全くダメで、デフレに戻ることが明らかです。

 さらにGPIFについてですが、野党議員の方が「5兆円の損失を出して私たちのお金はどうしてくれるのか」と国会質問をしていましたが、この方は何もわかっていないか、わかっているのにマイナスの点ばかりを主張しているのです。野党についてはこの5年間、私は本当に失望しています。実際問題として、このような見方には情けないと思うばかりです。GPIFの儲けは、ピークから5兆円下がったと言うだけで、実際はそれまでにアベノミクスによって大きく儲けているのです。

 GPIFのホームページに行くと、いくら儲かったのかはっきり載っています。グラフからもわかるように、大きく儲けた後少し下がっただけなのです。我々の年金はものすごく増えているのです。そうした事実を全く理解しないで、エモーショナルに議論をしてはいけないのです。GPIFの利益水準は37兆円増えて、5兆円マイナスというわけで、合わせて現在は30兆円のプラスです。GPIFの運用は大成功と言えるのです。こんなことを書いても本はまず売れません。批判をし、頭にきた、けしからんと書いたものの方が売れるのです。しかし実態はそうではなく、しっかりと儲かっているというわけなのです。

 さらに、アベノミクスが始まってから個人金融資産も大きく伸びています。安倍総理が就任した時の1550兆円から1700兆円へと150兆円以上増えているのです。株式などへの投資が増えていればもっと全体も増えたわけですが、日本はどうしても現預金が中心となります。それでも850兆円の現預金が、900兆円に増えているわけです。企業はもっと儲けています。いわゆる内部留保の額を見ると、今年3月末で367兆円も持っているのです。トヨタがこの1年で増やした現預金はなんと1兆円に上ります。

 こうしてみると、アベノミクスは結構頑張ったと言えるのではないでしょうか。アベノミクスを褒めすぎるのも良くありませんが、こうしたポジティブな一面を見逃してはならないのです。

 さて、こうした中、皆さんの資産は殖えているでしょうか。できればこの環境の中、3年前から2倍になって欲しかったと思います。1000万円持っていたとしたら2000万円に殖やして欲しかったです。そうした機会を活かすことができたか、よく検証してみてほしいと思います。それほどの絶好の機会だったのです。同じようにこのあと1年か2年後にも大きなチャンスがやってきます。これからは株の配当が増えるのです。配当が増えれば株価が上がらなくても利益を上げることが可能です。三井住友フィナンシャルグループは4.5%の配当利回り、武田薬品、ブリヂストン、日産など4%前後の配当があるのです。私自身も、もう少し株が調整したら、底は1万2000円程度だと思っていますが、その辺りで大切に貯めてきた現金を投資に使おうと思っています。欧米と同じように日本の市場も変化してきています。機会をつかんで絶対に殖やさなくてはダメだと思います。

日本の問題は財政赤字につきる

 日本が抱えている問題を整理してみます。潜在成長率は0%、つまり成長がないということです。クルーグマン等は欧米より日本の方が高パフォーマンスだと言っています。一人当たりGDPは欧米より日本が上だと言うのです。一人当たりのGDPが欧米より上で全体として成長がないというのは、要は日本の人口がピークアウトしているからであり、成長に関しては議論しても無駄です。勝てるわけがなく、ナンセンスだと思います。

 巨額の財政赤字も大きな問題です。改めて現実を確認しておく必要があるでしょう。そして少子高齢化ですが、これに関して私はどうにもできませんし、難しい問題です。突き詰めれば最も問題なのは財政赤字だと思います。解決が難しく20年はかかるでしょう。しかし規制緩和を少しずつ進めれば変わってくると思います。

 巨額の財政赤字を抱え、25年間プロの間でも、マーケットや当局の人からも、金利は上がる上がるといつも言われてきました。しかし実際は長期に亘り金利は下がり続けています。こうして下がってきた今も、ここから一気に上がると言われていますが、実際には金利は下がり続けているのが現状で、このことは冷静に見ておく必要があるでしょう。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
金融経済アナリスト
前クレディ・スイス証券副会長
田口 美一
7月23日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
詳しくはこちら

資産形成力養成講座 加藤

 乱高下するマーケット。仕事と同じように戦略や戦術を考えずに結果は出ません。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡り、世界中に金融商品は存在します。総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!

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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!