グローバル・マネー・ジャーナル

2016.8.10(水)

日銀の大規模緩和長期化ならリスク増~IMF~(大前研一)

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日銀の大規模緩和長期化ならリスク増~IMF~(大前研一)2016/08/10(水)


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今回のテーマ

日銀の大規模緩和長期化ならリスク増~IMF~(大前研一)

【日本】日銀の大規模緩和「長期化ならリスク増」~IMF~

 IMFは2日発表した対日審査の年次報告書で、日銀の大規模な金融緩和について、長期化すれば金融システムへのリスクが増えると警告しました。中でもマイナス金利政策は銀行の業績悪化につながるとし、代替策をとるべきと厳しく指摘しました。

 これはアベノミクスに対するIMFの対日審査ですが、日本から出かけて行っている人も関わっているので、日本の役人もデータには加担しています。金融グループというのは今収益を下げてきています。三井住友を見てもストレートに下がっています。三菱UFJもここにきてガクッと下がっています。この後もまだ国債を大分持っているので、国債の格付けがどんどんと落ちてくるとなると、非常にリスクの高い状況に追い込まれていきます。

 それを回避しようと三菱UFJはプライマリーの特別ポジションを返上しました。日銀は非常に困っているわけですが、株式会社であり、日銀と心中するわけにはいかないという意思の表れだと思います。こういった返上も続きますと、日銀、財務省、金融機関が非常に険悪な状況になってくると思います。

 アベノミクスのなれの果てというのは、結局金融機関の持っていた国債を日銀が買う。買うだけでは足りないのでETFみたいな株まで買ってしまう。どんどんどんどん日銀主導の経済政策が行われる。昔は禁じ手と言われていたものですが、今は禁じ手しかやってない状況です。さらに金融機関が日銀に預けているものに関してはマイナス金利にしてしまうという状況です。いくところまで行ってしまいましたが、効果は全く出ていないという状況です。

【英国】クラーク氏:初の外遊先に日本選択、日英貿易強化も

 イギリスのビジネスエネルギー産業戦略大臣のグレッグ・クラーク氏は26日、EU離脱の悪影響が懸念されることについて、日系企業はイギリスに留まることで大きな利益を得ると語りました。また、EUと何を交渉すべきなのか焦らずに調べていくとし、外資企業などからも要望を聞き、交渉に反映させる考えを示しました。

 イギリスが中国に非常に接近していますが、中国はイギリスにものを売り込みますが、日本はイギリスに投資をします。この違いをしっかりと把握しないといけません。私も40年近く企業の世界化を助けた中から言えば、今BREXITは最悪の状況である、もう一度考えた方がいいのではないか、というのが持論です。

 実はイギリスに対する直接投資というのは、アメリカが圧倒的に大きいです。アメリカの会社というのはイギリスと非常に親しいということもありますが、ヨーロッパへの入り口みたいに考えているのです。だから特にアメリカというのはグラスゴーのようなところに工場を作って、そこからヨーロッパ全体に持っていくという構造です。また、アメリカの投資の半分以上はシティーの金融機関です。

 アメリカに続いてオランダ、ルクセンブルク、フランスと来ます。ヨーロッパ勢に比べると日本は少ないのですが、アメリカ・ヨーロッパ勢を除くとトップで、1370社の日本の企業がイギリスに投資をしているという状況です。中国は全然そこまでいっていません。

 もう一つ非常に重要なことは、イギリスは対外投資を活発にしますが、同時にイギリスに対する対内投資が同じくらいあることです。ドイツなどは対内投資が対外投資の半分ですし、フランスも努力しているけれどもあまり多くありません。イタリアなどはどちらも非常に低いレベルです。イギリスの場合EUの中のイギリスということで、言葉の問題もあり右代表で投資の受け口になります。特にアメリカや日本はそうです。その場合、EUではないイギリスとなると、激減する可能性があります。

 もう一つは投資というのは5年10年先を見ないといけません。そうなるとスコットランドが独立してEUに入った、ウェールズもフォローした、北アイルランドも続いたとなると、イングランドだけになります。そういうイングランドに対する投資は魅力がなくなります。今回の議論で欠けているのは、UKとしてBREXITを考えたけれども、本当にUKはUKのまま残るのかどうかという点です。

 ニコラ・スタージョンというスコットランドの第一首相は、既にもう一度、独立の住民投票をすると言っています。もし独立したらEUに加盟申請するつもりです。アメリカはスコットランドへの投資が多いので大喜びでしょう。日本はウェールズに対する投資が多いので、ウェールズがでればそれも大喜びでしょう。5年後、10年後のこういった姿をイギリス人は知っていて投票したのかが非常に重要だと考えています。勝手にスコットランドは独立投票をできず、イギリスの議会承認が必要とイギリスは言っていますが、スコットランドはイギリスの言う通りにはならないと言っています。メイ首相が折角行ったのに波乱万丈の未来が待っていると思います。

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 それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!