失業率を具体的に見ると、ギリシャは23%、スペインは下がったものの19%、フランスも10%近くとなっています。今回選挙をするオランダは5.6%と下がってきています。ドイツは4.1%、アメリカは下がったとはいえ、まだ4.6%です。一方、日本は3.1%と、この中では最高のパフォーマンスです。
ヨーロッパは失業が多い上にしかも失業者が若者です。さらにそこに難民が増え、かつテロが起きているという状況です。こうした中、今年はヨーロッパで選挙が相次ぎます。3月にオランダ、4月にフランス、そして9月にドイツです。この選挙では、今勝たないと言われているところが全部勝つことになってもおかしくないと思います。
オランダでは自由党がキャスティングボートをとっていて、連立を組んだときに強くなる可能性があります。フランスではル・ペンの国民戦線が1回目の選挙では勝つと言われています。2回目では50%取れないと言われていますが、結果どうなるかは分かりません。その後ヨーロッパで二度サミットが行われ、9月のドイツ議会選挙です。今はメルケル氏が圧倒的にサポートされていますが、どうなることでしょうか。
アメリカは確かに良い状況ですが、目先の良いところはマーケットに既に織り込まれてしまっています。金利が3%になったり、為替政策でドル安を仕掛けられたりといった恐ろしいお化けがアメリカにはまだ残っているのです。一方、ヨーロッパはまだ恐ろしい状況が出まくっていて、終わる見通しが立ちません。どちらも相当きつい状況だと言えます。
アメリカではFRBが自信たっぷりです。去年は中国が心配、BREXITが心配などと言いながらなかなか利上げをせず、満を持して12月に利上げを行いました。とは言え、まだ1%にも達していないところです。2017年には3回利上げすると言っていますが、去年の今頃も同じようなことを言っていました。私は3回は無理だと思っています。
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