続いて産業機械、そして、ボーイングなどがかなり日本のものを買っており、787なども日本の貢献が非常に大きいことで、航空機部品が上位にきています。家電など昔非常に大きかったものは、今では割に小さくなってきています。
アメリカの自動車輸入額を見ると、日本からの輸入額はドイツを上回っています。アメリカはドイツ車の輸入を相当派手にやっていますが、アメリカにおいては日本の方が販売網が強く、モデルによって、特にハイエンドのものは、アメリカで作らずに日本からそのまま輸出するためです。日本とドイツの差は4、5兆円の額ですが、これが問題視されるかもしれません。
ただ、私に言わせれば、自動車の問題は調べれば調べるほど、この20年間日本は実にアメリカに対して大きな貢献をしてくれたということで、おそらく理解を得られるのではないかと思います。問題は、ピーター・ナバロ氏というおかしな人が貿易関係をやっていることです。ナバロの頭が柔らかくなるほどではないかもしれませんが、基本的には、この問題についてトランプ大統領自身が騒ぎ立てる事は、ほとんどないだろうと思います。
日米首脳会談の前夜、トランプ大統領は安倍首相にどのように話そうかと考えていたらしく、そこで、ドルが高い方が良いのか、安い方が良いのかと迷ったそうです。ドルが安くないと貿易には不利で、中国も元を安くして貿易が有利になっているので、アメリカもドルが安ければ有利になると考えました。ところがアメリカは貿易重視ではないので、専門家は皆、ドルが高い方が良いと言っています。
こうして前の晩まで安倍首相に為替についてどちらかで噛み付こうと思っていたわけですが、どちらが良いのかわからなくなってしまったのです。そこで真夜中過ぎに、今ではクビになった、国家安全保障を担当するフリン大統領補佐官に電話をし、アメリカはドルが高かったほうがいいのか、安かった方がいいのかどっちだったかと尋ねたのです。するとフリン氏は、自分は軍事の専門家で国家安全保障担当なので、そのようなことはエコノミストに尋ねてはどうかと言ったというのです。フリン氏も浅はかで、その事実をまたマスコミに話してしまったのです。
このことからもわかるように、トランプ大統領は1人になると何もわかっていないのです。結局、ついにどちらか決めかねて、安倍首相が来たときには為替の話題が出なかったというのです。これほどみっともないのがトランプ大統領なのです。そのようなレベルの人と、日本は構えてやっていくのと思うと、とてもくたびれます。トランプ大統領の経済理解、為替理解は幼稚園レベルなのです。これが一事が万事で、全てがこのレベルであり、会議などをやっていても一対一になると彼は、はちゃめちゃに弱いのです。
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