その他には、スコットランド独立志向を持つスコットランド国民党などがありますが、基本的には下院の党派別議席数を見ると保守党が過半数を占めており、労働党は今の党首では惨敗する可能性が高いのです。しかし実はこのままメイ首相が突っ走るのを許してはいけないということで、やむを得ず労働党に票を投じるという現象が起こる可能性も高いのです。メイ首相に勝手に走る手形を与えないという人が相当出てくると考えられるのです。
メイ首相は今のままいけば3分の2は取れると気楽に考えて、6月に選挙となったわけですが、選挙をやることについては圧勝で、反対は13人しかいなかったのです。ただ、基本的にはこうしたことをやってもあまり意味がありません。メイ首相は、議会が言うことを聞かず私の足を引っ張っているとしていて、彼女の頭の中にあるイメージとしては、鉄の宰相サッチャーなのです。それによって今は喋り方もだんだんとサッチャーに似てきています。相手を決めつけるような話し方もほとんどサッチャーになってきています。
選挙はしないという約束できたわけですが、今回の理屈としては、EUとの交渉で一番苦境に陥っているときに選挙をすることになるので、今選挙をやり、それから改めて突っ込んでいくということを理由にしていました。選挙しないという今までの公約を覆した形なのです。
イギリスは、分担金7兆円を払わないことにはEUは交渉しないとしていますが、その分担金はEU加盟国の中でドイツ、フランスに次いで3番目に多く負担していました。合計すると払っていない分が7兆円分あると言うのです。一方、イギリスは大学や農業の分野で補助金を受け取っていました。これは加盟国の中で6番目の割合となっています。イギリスにとってみると払っている割には受け取る分が少ないという認識なのです。
いずれにしてもEUは、イギリスの思い通りにはさせないとしていて、痛い目に合わせてやると手ぐすね引いて待っている状況です。メイ首相が選挙で圧勝しない限り、イギリスの言い分が通るとは思えません。ただし圧勝してもEUの方は、それによって態度を変えないと思われます。
スコットランド独立については、2年以内に投票をもう一度やるとしていて、ここでメイ首相がものすごい信任を得て、スコットランド国民党が大敗すれば、それを抑えこむこともできるかもしれません。しかし、スコットランドの人たちは自ずとそちらに投票するので一定の票は取れることと思います。一定の座席は確保できるので、あまり影響なく国民投票をやってしまうことになるだろうと思います。
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