ブラジルは、また大統領の汚職問題などにより株価も低迷しています。おそらくこれからもこうしたことが起こるでしょう。ですから新興国への投資は気をつけてやらないといけないのです。トルコ、ギリシャ、ブラジルなど、1つの国の1つの債券を持っていると、大きくやられてしまうことになりかねません。投資をするならよほど気をつけてやるべきなのです。
単品で投資をして成功した例はあまり見たことがありません。プロとしてはやはりインデックスで持った方が良いと思います。新興国というインデックスで持てば、ブラジルだけではなくインドなどいろいろな国が入っているので、飛び抜けたリターンはありませんが、やられる幅も少なく済むのです。単品で持っていると、1日で平気で10%下がってしまうこともあります。誰も買い手がいないので、まさにフリーフォールなのです。
原油価格が40ドルを切るという事はおそらくないとは思いますが、今後も40ドルから60ドルの間で動くのだろうと思われます。なぜなら、シェールガスの採算レートから、40ドルを切るとシェールガスが掘れなくなるからです。原油相場の予想は世界で最も難しいのでなかなか当てることはできませんが、40ドルから60ドルの範囲で揉み合うと見ています。これまで一旦価格が上がってぬか喜びしたわけですが、長くは続きませんでした。価格上昇が上昇するとテキサスでシェールガスをどんどん掘り、増産をするからです。
合わせて世界の株価のパフォーマンスを見ると、エマージングが、今年1番いいリターンをあげています。BRICsも悪くなく、ヨーロッパもドイツが頑張っているのでリターンは結構良くなっています。アジア全体でも悪くはないものの、中国はマイナスから僅かの上昇になっています。こうして見ると、トランプ以降、株価の上昇が突出したのはアメリカではなく、エマージングマーケットだったのです。
この6ヶ月、新興国が最も強い動きを見せたのです。トランプラリーは何だったかと一言で言えば、新興国の株が上がったということだったわけです。しかしブラジルを見ても明らかなように、その動きは非常に心もとなく、サステイナブルなマーケット環境かと言うと、かなり疑問です。
アメリカについては、5月までは絶好調と言ってきましたが、少しぐらついてきているようです。統計を見ると、企業のコンフィデンスは製造業も非製造業も悪くはありません。ところが心配なのは、賃金が、日本と比べれば高いものの、伸び悩んできていることです。さらに雇用統計が20万人を割ってきているのです。
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