アメリカの種類別医療保険の加入率の推移を見ると、無保険者は減少傾向にあり、それが今回の法律を通すと、3,200万人が裸になってしまう(米議会予算局試算)ということで、選挙を控えた共和党は、とてもこれには賛成できないということになったわけです。
トランプ大統領が選挙期間中から言ってきたことが、今のところまだできないという結果になりました。トランプ大統領は公約としてきた国境税をかけることも達成できず、人事の問題でごたごたしているだけではなく、公約の実行が全くできずにいるのです。
オバマケア自体は、前から述べているように取扱保険会社が赤字になってしまうということでどんどん逃げていて、少なくともオバマケアを取り扱う保険会社は減っている状況です。州によっては一社しかないというところもあり、競争も何もあったものではないのです。このように実際オバマケア自身も直さなければならないところもあるのですが、それを葬り去るなどと乱暴なことを言うと、なかなか通らないということになります。
トランプ大統領はイライラが高じて、この後どう出てくるのか、北朝鮮あたりに突撃的に仕向けていく可能性もゼロではありません。この人は脈絡もなく、どこかで勝たなくてはならない、ディールしなくてはならないという性格の人なので、極めて彼自身が、つまりアメリカが、予測不能な状況になっていて、北朝鮮といい勝負と言えます。
トランプ政権と与党共和党は27日、国境調整税導入を断念すると発表しました。アメリカからの輸出を免税扱いにする一方、輸入は課税を強化する構想でした。増税が見込まれる小売や自動車販売などの輸入産業から、強い反対の声が上がっていました。
これを壁を作る費用に充てると言っていたわけですが、壁も象徴的に一部分だけ作って終わりということになり、トランプ大統領は言っていることがほとんど実現していません。考えてみれば、誰も実現できると思っていなかったので当たり前です。しかし、実現できると思って期待して投票した人、つまりプアホワイトの人たちは、ここまで敗北が続いているにもかかわらず、トランプ大統領に投票した7人のうち6人が、まだ彼を支持していると言われています。かなりハードコアな支持者たちがいると言えるのです。
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