グローバル・マネー・ジャーナル

2021.6.23(水)

世界株式市場/ギグワーカーの主なメリット・デメリット/中国株式市場(大前 研一)

2021.6.23(水)
世界株式市場/ギグワーカーの主なメリット・デメリット/中国株式市場(大前 研一)
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世界株式市場/ギグワーカーの主なメリット・デメリット/中国株式市場(大前 研一)

世界株式市場

 日経新聞は22日、「ギグワーカー株に売り圧力」と題する記事を掲載しました。これは各国の株式市場で、ライドシェアや料理宅配など単発で仕事を受けるギグワーカー関連の銘柄に、売り圧力が強まっていると紹介しています。コロナ禍の巣ごもり需要で買いを集めたものの、足元では軒並み年初来高値から2割以上下落しているということで、背景には経済再開による需要の剝落に加え、各国のギグワーカー保護による人件費高騰が嫌気されたとしています。
 ドアダッシュ、ウーバーイーツの配達員とは、どういう立場の人たちなのでしょうか。ギグワーカーというと格好良く聞こえますが、いわば日雇い、Self-employmentで雇用契約を結ばず、雇用保険や事故保険といった保険は整備されていません。社員になるとさまざまな義務が生じることから、彼らを臨時雇いとしたほうが会社にとっては都合が良いのです。

ギグワーカーの主なメリット・デメリット

 ところが、英国ではライドシェアの運転手は雇用法上の労働者であると認められ、スペインでもそのような方向に進んでいます。しかし時間があるときに自由に働けるというギグワーカーならではのメリットが小さくなり、さらに雇用者負担が増えることによって、デリバリーの料金に影響が出ることは明らかです。
 今、この辺りを走っているウーバーイーツの配達員は、目の色が変わるほどに必死な様子で、スマホを見て立ち止まっているのもよく見かけます。そして信号無視なども増え、人や車への衝突事故を起こしているとも聞きます。ウーバーイーツ側が弁償してくれるようですが、配達員が急ぐあまりに汁がこぼれた料理が届くこともあるようです。このような悲惨な状況が多すぎることから、新しい雇用形態の彼らをカバーする保険を整え、それと同時にルールを守らせる制度をつくるなど、事故を防ぐ対策が必要だと思います。

中国株式市場

 続いて、「中国IT株、時価総額90兆円減少」と題する記事をご紹介します。これは中国のアリババ集団やテンセントなど、主要10社合計の時価総額は、2月のピークから90兆円、およそ3割減少したと紹介しています。
 大変な勢いのあったアリババやテンセントでしたが、アントフィナンシャルの上場に待ったがかかるなど、ジャック・マーの周辺では、政府による強力な締め付けが行われています。この3カ月ぐらいの間に、これらアリババやテンセントを含む主要10社の時価総額は、合計で90兆円も減少しました。バブルの状態にあった企業は、現在、揺り戻しが起こっているようで、この状態がどこで落ち着くかは分かりません。これら企業は政府のコントロールが効かない、金融システムを揺さぶるほどに巨大化していることから、中国政府に恐怖心を抱かせたようです。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
5月30日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼講座受講をご検討頂いている皆さまへ
▼その他の記事を読む:
【前回の記事】米国救済計画/日本維新の会/ベーシックインカム(大前 研一)

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それでは、次回のグローバル・マネー・ジャーナルもどうぞお楽しみに!
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