グローバル・マネー・ジャーナル

2018.3.21(水)

最近の商品価格の動向を解説する(近藤雅世)

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最近の商品価格の動向を解説する(近藤雅世)
【金価格】
 NY金価格は昨年12月米国で利上げがある前は1,238ドルまで下がっていたが、利上げ後は上昇し始め、今年の1月25日に1,365ドルまで約10.3%上昇した。過去5回の利上げに対して金価格は全く同じ動きをしている。つまり、利上げがありそうだとドル高・金安となり、利上げが行われた直後からドル安・金高に反転する。
 3月21日の米連邦準備制度理事会の公開市場委員会(FOMC)で利上げされるCMEのフェドウォッチによる利上げの確率は94.4%となっている。従って利上げまでの金価格は弱く、その後は次の6月の利上げまでの間は少し反発することが考えられる。しかし、パウエル新議長の発言からは市場は今年4回の利上げもあり得ると観測している。インドや中国の金の輸入状況もいまひとつであり、今後予期せぬ地政学的リスクなどの出来事がない限り、金価格が今後大きく上昇することはあまりないと思う。NY金に対するファンドの建玉は、ネット買い残が減少傾向にあることも、この予想を裏付けている。
【原油価格】
 原油価格は昨年12月中旬の62ドル台から1月25日に66.66ドルになった。これが直近の高値で、その後は60ドル台前半を上下している。OPEC諸国とロシアなどの非OPEC諸国による減産により、世界の需給はバランスし始めており、少なくとも世界の石油在庫は増加することがなくなった。
 しかし、米国の原油在庫は3月9日の週も前週比+500万バレル増加しており、1週を除いて過去6週間増加している。これは米国のシェールオイル生産量が2月初め以来6週連続で日量1,000万バレルを超えて生産されているためで、昨年11月以来1970年の米国の原油生産量を抜いて過去最大の生産量となっている。EIA(米国エネルギー情報局)は今年も来年も米国の原油生産量は増加するだろうと予想している。
 背景には米国からの原油や石油製品輸出量が急増していることが挙げられる。OPECや一部非OPEC諸国が減産を行っても、米国やカナダ、ブラジルなどが増産すれば、バランスしかかった原油需給も結局供給過剰となり、過去5年平均を上回っている現在の世界の石油在庫はあまり減らないだろう。
 NY原油に対するファンドのネット買い残は、過去6年に比べてかなり多い。しかし、このネット買い残の解釈としては『今後ファンドはこの買い残をもっと増やすというよりは、売り閉じてネット買い残を減らすだろう』という予想につながる。
 従って原油についても、新たな地政学的リスクや予期せぬ生産の支障が起きない限り、50ドル~60ドル台で推移し、100ドルまで上がるというような極端な予測はできない状況である。
【穀物】
 最後に穀物について少し述べておくと、過去4か月ほど、アルゼンチンの降雨量が少ない状況が続いていたため、シカゴトウモロコシ価格は昨年12月の350セント/ブッシェルから3月13日395セントに約12%上昇し、シカゴ大豆価格は950セントから3月5日には1079セントまで+13.5%上昇している。南米は北半球でいう9月ごろに相当し、すでに収穫は大半が終わっているので、これ以上南米の要因で上昇することはないだろう。
 ただ、今後は北米など北半球で作付けが始まり夏の天候相場を迎える。だれも今年の夏に米国が干ばつになるかどうかはわからないのが現時点である。例年穀物は春に買えば、かなりの確率で6月ごろまでは価格が上昇するという季節要因がある。その後は天候次第でさらに上昇するかどうかが決まるが、6月~7月がピークで、9月の収穫時期にかけて価格は下がる傾向がある。
 ファンドのネット買い残はグラフで見られるように、すでに相当買われてしまっているので、今年は早めに価格のピークが来るかもしれないが、まだ北米の生産にも手がつけられていない現時点では、6月ごろまでは上がるかもしれないともいえるだろう。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「金融リアルタイムライブ」講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長
近藤 雅世
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