日本の医療費問題、5000億円は市販薬で代用可能(大前 研一)
2019.8.14(水) | ||||||||||||||
日本の医療費問題、5000億円は市販薬で代用可能(大前 研一) | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ! | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
医療費問題 |
||||||||||||||
市販薬があるにもかかわらず利用者が病院に通って処方される医薬品の総額が、2016年度で5000億円に上ることがわかりました。 | ||||||||||||||
処方薬は自己負担が原則3割と、市販薬より割安なことが要因と見られますが、残りは税金や保険料で賄われるため、医療費の膨張につながっています。 | ||||||||||||||
他の国ではかなり箍がはまっていますが、日本はまだそうなっていません。 | ||||||||||||||
例えば風邪をひいた場合、風邪薬を買ってくればいいのに、病院で買った方が安いというので我慢して病院に行き、処方を書いてもらって風邪薬をもらうわけです。 | ||||||||||||||
私は病院に行くのが死ぬほど嫌いなので必ずOTCを買いますが、日本人はかなり多くの人がこういうやり方をしています。 | ||||||||||||||
薬局調剤医療費の推移 |
||||||||||||||
ここに箍をはめていかなくてはいけないわけですが、調剤薬局の売り上げの伸びはどんどんと増えています。 | ||||||||||||||
保険給付見直しが指摘される主な分野 |
||||||||||||||
主な分野としては、あまり治療の根本的なものではない分野、例えばテニスで腕を痛めた湿布薬、ビタミン剤、アトピー性皮膚炎ではない乾燥症などの薬で、これらを病院で処方してもらうというのです。 | ||||||||||||||
私はユリノームという尿酸値抑制のための薬を飲んでいますが、これについては処方がないと買えないので、逆に非常に不便に感じています。 | ||||||||||||||
米国の種類別医療保険の加入率の推移 |
||||||||||||||
アメリカの場合を見てみると、医療保険は民間保険が最も多く、その次がメディケイド、そして、無保険となっています。 | ||||||||||||||
無保険が一時期から大きく減ったのはオバマケアの部分です。トランプ大統領もオバマケアを葬り去ろうとしましたができなかったのは、これが理由なのです。 | ||||||||||||||
主要国のGDPに占める医療費の割合 |
||||||||||||||
また、主要国のGDPに占める医療費の割合を見ると、アメリカがダントツで16%、ヨーロッパと日本はほとんど同じで10%弱となっています。 | ||||||||||||||
この程度で抑えていくことが必要なのだと思います。 | ||||||||||||||
日本はGDPが伸びず、高齢者が増えているのでこの割合を維持すること自体もかなり苦しくなっています。 | ||||||||||||||
そういう状況なので、普通に薬を買えば済むのであればそうすると考えなくてはいけない、日本もようやくそういう所へきたということなのです。 | ||||||||||||||
【講師紹介】 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
▼その他の記事を読む: 【前回の記事】EUの臨時首脳会議、後任人事について徹底議論 (大前 研一) |
||||||||||||||
|