アスクル、ヤフーに対する敗因は株式比率!(大前 研一)
2019.8.21(水) | |||||||||||||||
アスクル、ヤフーに対する敗因は株式比率! (大前 研一) | |||||||||||||||
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ヤフー |
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ヤフーは17日、傘下の通販大手、アスクルの岩田彰一郎社長について、取締役再任に反対すると発表しました。 | |||||||||||||||
アスクルのネット通販ロハコの分離等、事業再編をめぐり意見が対立しているということです。 | |||||||||||||||
アスクルの大株主の持ち株比率 |
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これは岩田氏の敗北と言えます。45%も第三者に持たせてしまってはもうおしまいなのです。もともとは文房具のプラスという会社が始めた事業で、そこから分離してアスクルという企業ができたわけで、株主の中の今泉氏はそこの系統の方です。 | |||||||||||||||
持ち株比率のグラフからも明らかなように、現在は45%をヤフーが握っており、それだけ渡していると、もうどうにもできないのです。岩田氏自身は創業者にもかかわらず、1.78%しか持っていないということなのです。 | |||||||||||||||
これは、日産自動車がルノーには逆立ちしても勝てないのと同じです。ルノーが43%を持っているので、プロキシーファイトになったら、それでおしまいということになるのです。ヤフーにすがった時にこのような結果になったということなのです。 | |||||||||||||||
もともと干渉しないと言ったはずなのに、なぜ干渉してくるのかと今頃言っているわけですが、そうしたいなら33.4%以下にしておかなくてはならないのです。そのような基本的なことがわかっていなかったのかと逆に驚きます。 | |||||||||||||||
アスクルの業績推移 |
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アスクル自体は業績が悪くなってきています。 | |||||||||||||||
ヤフーの物販eコマース取扱高 |
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ヤフーの物販eコマース取扱高を見ても、アスクルの貢献はいまいち奮いません。一方で、ヤフーのeコマースにとってはアマゾンが巨大な目の上のたんこぶとなっています。そのような巨大なアマゾンを相手にしていながら、こんなところで内ゲバをやっている場合では無いのです。 | |||||||||||||||
岩田氏がもし、ヤフーのやり方に反対なのであれば、創業者ではあっても45%を分けた時点で既に結果は決まってしまっているのです。プロキシーファイトになれば必ず負けるわけで、今頃何を言っているのかということです。 | |||||||||||||||
ヤフーも今は経営者が変わり、このようなことで揉めているので、おそらく人間的な関係に問題があるのではないかと思います。いずれにしても一世を風靡したアスクルですが、アマゾンPrimeによって、「明日来る」ではなく、「今日来る」をされては、かなわないという状況なのです。 | |||||||||||||||
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▼その他の記事を読む: 【前回の記事】日本の医療費問題、5000億円も市販で代用可能 (大前 研一) |
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