米中両政府、特定分野で部分的に合意!(大前 研一)
2019.11.6(水) | ||||||||||||||
米中両政府、特定分野で部分的に合意!(大前 研一) | ||||||||||||||
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米中貿易 |
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米中両政府は、11日まで開いた貿易協議で、農産品や為替など、特定分野で部分的に合意したことを明らかにしました。 | ||||||||||||||
中国がアメリカ農産品の購入を増やしたり、意図的な元安誘導を控えたりする一方、アメリカは15日に予定していた制裁関税の引き上げを先送りすることなどが盛り込まれたものとなっています。 | ||||||||||||||
米中の対立事項と協議した内容 |
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トランプ大統領が中国側と会って、それで決着だと言い、暫定合意をしました。しかし、協議内容を何度読んでも、一体何に合意したのかよくわかりません。 | ||||||||||||||
農産品については、4兆円から5兆円買うということで、中国が農産品を口の中にぐっと入れられたという形です。また、人民元安誘導を控えると約束したとありますが、中国は今まで誘導をやったことはないとしているのです。 | ||||||||||||||
控えると約束するということは、今までやっていたということになってしまい、これも全く意味不明な合意です。 | ||||||||||||||
中国がアメリカ企業の権利保護を強化するとありますが、そんなことを言うのは簡単です。金融サービスで規制緩和するということについては、逆に言うと100%の外資系の金融事業が出来るようになるとすれば、この市場開放はプラスだと言えます。 | ||||||||||||||
一方、積み残した問題の方を見ると、技術移転の強要はやめなさいという課題については積み残したままです。履行の検証については、一方的な罰則導入には中国は反対しており、罰則等には合意しなかったということです。 | ||||||||||||||
また、国有企業を中国はずいぶんと支援していますが、これを止めることについては対立したままです。発動済みの追加関税をどうするかは、アメリカが全廃には難色を示しています。 | ||||||||||||||
ファーウェイ問題についても進展していません。 | ||||||||||||||
米国の対中追加関税の内容 |
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結局、対中追加関税の2500億ドルについては、25%を30%に引き上げると言っていたわけですが、その部分は見送りました。 | ||||||||||||||
1100億ドルについては15%のまま、1600億ドルについては、スマホやノートパソコンが対象で、クリスマスの販売にマイナスに働くとして伸ばしていたわけですが、結論は持ち越しとなりました。 | ||||||||||||||
つまり、何に合意をしたのかさっぱりわからないのです。重要案件については全て持ち越しです。 | ||||||||||||||
ただ日本がとうもろこしを7000億円買いますと言うのと同じように、4兆円から5兆円の農産品を買うと決めたことで、トランプ大統領にとっては、ずいぶんと選挙がやりやすくなったことでしょう。 | ||||||||||||||
ビジネスウィーク誌は、失礼なことに、エアフォースワンが農地に紙幣をばらまいている風刺画を載せています。 | ||||||||||||||
しかし実際は、アメリカの農産品の輸出は急激に落ち込んでいて、中国が4兆円を買っても大きな影響は無いだろうと思います。 | ||||||||||||||
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▼その他の記事を読む: 【前回の記事】米大統領選、エリザベス・ウォーレン氏が有力 |
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