グローバル・マネー・ジャーナル

2020.2.19(水)

金融リアルタイムライブ特別マガジン①「米国市場の業績指標について」

2020.2.19(水)
金融リアルタイムライブ特別マガジン①「米国市場の業績指標について」(福永 博之)
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金融リアルタイムライブ特別マガジン①「米国市場の業績指標について」 (福永 博之)

米国市場の業績指標について①

 アメリカは、今年は利上げしないということを言っていますが、もしインフレ傾向が見られれば急遽利上げということにもなりかねません。
  株価が利上げに耐えられるかどうかを見る判断材料になるのが企業業績です。割安か割高かということを確認しておきましょう。
  ウォールストリートジャーナルが出している主要インデックスの予想PERなどのデータを見ていきます。2017年の12月のデータを見ると、ダウは2万4000ドル近辺、EPSは1220ドルでした。
  その後、2018年2月にはEPSが極端に大きく跳ね上がっています。これは2018年1月から法人税減税が行われ、自動的にEPSがかさ上げされたことによるものです。
 もちろん、業績が同じ水準でスライドして初めてかさ上げになるわけで、業績自体が伸びていればさらに上振れするということになります。
  1440ドルと減税前より200ドル以上上乗せとなったEPSですが、3月にはさらに1500ドル台まで増加します。

米国市場の業績指標について②

  その後、一番高い所は2019年4月、なんと1652ドルまで増える場面がありました。このときのPERは16.89倍と、17倍台には届いていない状況でした。
 NYダウについては、平均的な割安とされるPERは15倍前後で、18倍前後が標準、そしてそこを超えてくると割高だと言われます。
 その後もEPSは1500ドルから1600ドルと高く推移していましたが、最近の状況を見てみると、昨年末は1473ドルとなり、PERは18.67倍まで上昇しています。
 

米国市場の業績指標について③

 そして今年に入ってからは、EPSは1482ドルとわずかな上昇にもかかわらず、株価は2万8583ドルへと、前の月から1000ドルも上昇し、PERはなんと19.28倍にまで上昇しています。
  これは少し行き過ぎと言えるでしょう。19倍台前半というのは、先ほど見た16倍台から3近くも差がついているのです。
 こうなってくると、いくらトランプ大統領が何を言っても、もしこれから行われる決算発表で業績の上振れがなければ、警戒が必要な状況になってきます。
 特にインフレ傾向になって、金融政策で利上げをして過熱感を抑えなければならないという話になってくると、株価はより下落傾向になるので注意しておく必要があるでしょう。
 
【講師紹介】
株式会社インベストラスト代表取締役
国際テクニカルアナリスト連盟 国際検定テクニカルアナリスト
福永 博之
1月9日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼その他の記事を読む:
【前回の記事】上場投資信託/米株式市場/米JPモルガン・チェース/米国主要銀行の純損益の推移

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