グローバル・マネー・ジャーナル

2020.3.4(水)

ESG投資/主な地域別の責任投資原則(PRI)署名機関数/国内不動産市場

2020.3.4(水)
ESG投資/主な地域別の責任投資原則(PRI)署名機関数/国内不動産市場(大前 研一)
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ESG投資/主な地域別の責任投資原則(PRI)署名機関数/国内不動産市場 (大前 研一)

ESG投資

  日経新聞は先月24日、「ブラックロックの変心」と題する記事を掲載しました。これはESG、環境、社会、統治に優れた企業で構成する各種の株価指数は2019年に大きく上昇し、市場平均を上回ったと紹介しています。
 そんな中、世界最大の資産運用会社であるアメリカのブラックロックも、ESG投資に前向きな姿勢に転換しており、ウォーレン・バフェット氏の動向にも注目が集まるとしています。
  ブラックロックは世界最大のファンドの1つです。長い間非常に良い成績を出しているフィンクCEOがついに変わってきて、ESGに注目し始めたわけです。
 一方、ウォーレン・バフェット氏は、投資家のお金を社会的大義のために使うべきではないとして、ESGは気にしないと言っています。
 

ESG投資

  環境、社会、ガバナンスを重視するのがESG投資です。世界中の年金基金や運用会社などは、PRI (principles for responsible investment)というものに署名しており、日本もGPIFなどがこれに署名をしています。
 世界的にはこういう所へ投資しようとされるわけですが、やはりファンドとしては、儲かるものがあったときにはそちらに向かってしまうこともあるわけです。
  また、本当にESG投資だということをどうやって判定するのでしょうか。ここが非常に難しいところです。
 

主な地域別の責任投資原則(PRI)署名機関数

  PRIに署名した機関数では、アメリカやイギリス・アイルランドなどが非常に多くなっています。署名するのは簡単ですが、本当にこれを実行する人がどれほどいるのか、その判断基準は何なのかということが問題なのです。
 

国内不動産市場

  日経新聞は先月29日、「国内最大、不動産投資に3000億円」と題する記事を掲載しました。これはアメリカの投資ファンド、ブラックストーングループが、日本の賃貸マンション群を一括の取引として過去最大の、約3000億円で購入することが明らかになったと紹介しています。
 超低金利で資金調達コストを抑えられるのを背景に、日本の不動産利回りは世界的に高い現状で、都心の一部の地域では取引が過熱しているということです。
  売り買いが自由であれば、今のところ少し右肩上がりなのでこういう事態になってくるのでしょう。3000億円ということですが、こうした投資は持ち回りのようなところがあり、まとめて売る人もいれば、買う人もいるということなのです。
  今後もこれがずっと続いていくということも考えにくいと思います。実は日本は物件が少ない国なのです。
 中国などから別荘を買いにくる際にも、彼らが求めている、アメリカにあるようなゴルフ場に隣接した住宅などが日本にはないのです。
 そうしたことも含めて、案件が少ないことからこのようなケースが記事にはなりますが、あまり後は続かないだろうと思います。
 
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
2月2日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼講座受講をご検討頂いている皆さまへ
▼その他の記事を読む:
【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン②「NYダウ/米国債の利回り/金価格の推移」

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