中小企業支援/子育て世帯支援策(大前 研一)
2020.5.27(水) | |||||||||||||
中小企業支援/子育て世帯支援策(大前 研一) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ! | |||||||||||||
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中小企業支援 |
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日経新聞は8日、「中小破産回避へ特例」と題する記事を掲載しました。これは各国政府が倒産基準を緩和する特例措置に乗り出したと紹介しています。破産申請は通常、財産を保全し借金の返済に充てることで債権者を保護するものですが、新型コロナの影響で企業の資金繰りが一時的に悪化している現状を踏まえ、本来健全な中小企業を支え、雇用の維持を図る考えとしています。 | |||||||||||||
各国ともに基本的には倒産をしないようにという方向に向かっています。日本の場合には手形で2回不渡りを出すと、実質的に倒産とされるわけですが、今回はそれでも倒産ではないということになるのです。 | |||||||||||||
また、スタートアップで調子が良かったところには、実は大きく影響を受ける産業が多いのです。例えば宿泊などがそれにあたります。遠隔でeコマースなどをする企業は何とかなるのですが、半分ほどのアイディアは今回の事態で全くダメということになってしまいました。スタートアップの4割程度が、事業継続そのものに不安があると言っているのです。 | |||||||||||||
幸い、我々ビジネス・ブレークスルーは、むしろ遠隔で経営の勉強ができ、大学にも行けるという事業なので、あまり影響を受けることありません。他の教育事業の例としては、アオバジャパン・インターナショナルスクールの事業についても、すぐにネット授業に切り替えたのであまり大きな影響は受けていません。その一方で、宿泊業の熱海せかいえについては大きなダメージです。熱海市長が25日にやってきて、ここと大観荘しか開けていないので閉めろと言い、7日からは大丈夫かと思っていたのですが、国が緊急事態宣言を延期したので20日まで、結局25日間も閉めることになったのです。ステイホームに近いような形で利用してくれる人もいて、この状況でもそこそこお客さんが入っていたので、とても残念です。実際熱海ではすでに5人の感染者が出ていますが、いずれも感染経路は分かっているのです。その点ではなぜ閉めなければいけないのか不満が残りますが、全てうまくはいかないものです。 | |||||||||||||
子育て世帯支援策 |
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子育て世代に対する支援策として、カナダ、ロシアは児童手当等の追加給付をし、イタリア、フランスは政府が給与の一部支払いをするとしています。それらと比較すると、日本の場合には子育て世代への支援は全くうまくいっていません。 | |||||||||||||
休業補償や生活費の支援、学業支援や、解雇規制等の措置が各国でとられています。イタリアの解雇規制は興味深く、12歳から16歳の子供を持つ親は解雇してはいけないというのです。これはやはり凄いことです。 | |||||||||||||
こうした政策を各国は矢継早に打っているのですが、西村担当相は聞いているのでしょうか。彼はこういうことをやらなければいけないのです。しかしやった場合でも、日本では対象者とどうやって連絡を取るのかさえわからないのです。 行政のオンライン化がどこまで進んでいるかという点にも関連しています。各国がやっている事は非常にきついことで、現実には何万人も亡くなっているわけですが、こうした支援策は非常に温かみがあるものだと思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】欧州経済/ユーロ圏のGDP成長率の予想値/世界経済(大前 研一) |
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