台湾情勢/米不動産市場(大前 研一)
2020.6.17(水) | |||||||||||||
台湾情勢/米不動産市場(大前 研一) | |||||||||||||
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台湾情勢 |
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台湾の蔡英文総統は20日、2期目の就任式で演説し、中国から距離を置く姿勢を鮮明にしました。その中で一国二制度による統治を拒否する一方、日米欧との貿易協定実現などの経済の脱中国依存を加速すると表明しています。 | |||||||||||||
前任者の馬英九氏は国民党で、一国二制度は認めると言っていましたが、その一国というのはどちらかとは言っていないのです。いわゆる昔の中華民国(Republic of China)と中華人民共和国(People’s Republic of China)、どちらかを定義せずに一国二制度と言っていたのです。 | |||||||||||||
そして今回、蔡英文総統が初めて、一国二制度そのものを拒否したわけです。今の香港を見ていると、あんな風になるのは嫌だということなのでしょう。これは少なくとも今の台湾ではかなり現実的だと言われています。ただし、そうなってくると中国がだんだんといじめを始めることになります。蔡英文総統を締め上げようと、例えばWHOについても台湾は入ってはいけないなどということをやり、国際社会から台湾を阻害しようという動きを強めることになります。前任者の馬英九氏の場合にはその辺がうまくいっていましたが、こうしていちいちつっかかるようになってきたので、台湾はよほどアメリカのバックアップがないとやりにくいことになってきています。 | |||||||||||||
一方企業から見ると、ホンハイのようなところは仕事としてはやりにくくなってくる可能性があります。彼らはオペレーションのほとんどが中国の中にあるので、今後やりにくくなると思われます。 | |||||||||||||
米不動産市場 |
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日経新聞は18日、「米不動産、金融の火種に」と題する記事を掲載しました。S&PがCMBS、商業用不動産ローン担保証券22件の格下げを検討しています。マネーの萎縮が不動産業者の破綻を招き、さらなる価格下落を招く投資マネーの逆回転を警戒する声が上がっています。 | |||||||||||||
サブプライムに近いようなCLOの逆回転が起こり始めるということで、不動産がそれだけ下がってきているわけです。また、今はいろいろな会社が閉鎖に追い込まれ、その1つはアマゾンエフェクトと言われていますが、さらにはコロナエフェクトも影響し、大きな不動産がどんどん空いてくるわけです。モールもキーテナントのいくつかがいなくなってしまい、そこを埋める人がいないのです。それ以外はイーコマースなので必要ないということになり、結果的に不動産を中心に組まれているいろいろなローン、商業用不動産ローン担保証券がおかしくなって来ているということなのです。 | |||||||||||||
日本で言えばリートに当たりますが、リートを見ていると落ち込んだ後、やや気休め程度に上ってきています。リートが危ないのではないかと言われていますが、無理に買い支えをしているような気がします。当然大本営がやっているのでしょう。 | |||||||||||||
アメリカもやはりここがおかしくなってきており、世界的に商業用不動産ローン担保証券が落ち込むと、やはり日本のリートも落ちていくという連鎖が起きると思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む: 【前回の記事】ユニ・チャーム/日経平均の株価騰落率の推移/無形資産(大前 研一) |
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