米銀行大手/国内金融大手/都市銀行の不良債権処理損の推移(大前 研一)
2020.8.5(水) | |||||||||||||
米銀行大手/国内金融大手/都市銀行の不良債権処理損の推移(大前 研一) | |||||||||||||
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米銀行大手 |
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アメリカの銀行では貸倒損失が74兆円に上る可能性があるとFRBは言っています。ストレステストをやってみると、銀行が今貸しているものは返ってこない可能性が高いと言っています。 | |||||||||||||
アメリカの主要34金融機関の貸倒損失率は、W字型回復、U字型回復、V字型回復といったいろいろなパターンを見てみても、いずれにしてもGDPの減少が非常に大きく、リーマンショックの時と比べてどう考えても2倍以上になると言われているのです。 | |||||||||||||
国内金融大手 |
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アメリカでは貸倒損失額が74兆円に上る可能性が指摘されている一方で、日本の銀行に聞いてみると、5大銀行の不良債権は1兆2000億円しかないと言っているのです。アメリカの74兆円と比べてこれだけというのは有り得ないことです。もしかしたらまだ、5大銀行が他の銀行にシワ寄せして自分たちが安泰となっている、もしくは自分たちの評価が正しくないという話になってくるかもしれません。 | |||||||||||||
都市銀行の不良債権処理損の推移 |
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都市銀行の不良債権処理損を見ると、リーマンショックの後は大変でしたが、その後、西部戦線異常なしという状況です。少なくともアメリカの銀行では、回復のパターンによってはあれほど大きな70兆円規模の額になると言っているのに対し、日本の方はそれほどの危機感を誰も持っていないということは解せません。 | |||||||||||||
どちらが正しいのか、もしかしたら日本の5大銀行の方がその他の銀行にしわ寄せして、他の銀行が倒れてしまうということもあり得ます。日本の過去の不良債権処理の時にも、too big to failということで救済をしました。その状況がうまくいき、大きいので倒れないという状況を作り上げてしまったのかもしれませんが、やや異常な状況になっていると思います。 | |||||||||||||
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