ファミリーマート/セブン&アイHD/米国におけるコンビニの店舗数/主なセグメント別業績(大前 研一)
2020.9.30(水) | |||||||||||||
ファミリーマート/セブン&アイHD/米国におけるコンビニの店舗数/主なセグメント別業績(大前 研一) | |||||||||||||
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ファミリーマート |
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日経新聞は7日、「ファミマ、アジアで苦境」と題する記事を掲載しました。これはファミリーマートが、タイで合弁会社の出資を引き上げたほか、中国では現地のパートナーとの訴訟が続き、撤退の観測も浮上していると紹介しています。 | |||||||||||||
部分的な現地化しかできなかったため大衆層を取れず、意思決定にも時間がかかったことなどが要因との見方もあり、親会社の伊藤忠商事が、反転攻勢の鍵を握るとしています。 | |||||||||||||
これは逆だと思います。伊藤忠がいるから、これほど混乱しているのでしょう。伊藤忠はコンビニ以外の分野で、中国のCITIC、タイのチャロン・ポカパンと組んで、それぞれ1兆円ほどの金を出し、提携して事業を進めてきました。しかし、その提携相手のチャロン・ポカパンは、タイではセブンイレブンと組んで、大成功しているのです。 | |||||||||||||
結局、ファミマは中国でもうまくいかず、タイでも撤退ということになり、これはつまり、伊藤忠の能力が問われているわけです。親会社の伊藤忠の能力不足が、ここで完全に露呈したわけなのです。 | |||||||||||||
セブン&アイHD |
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セブン&アイホールディングスは3日、アメリカの石油精製会社、マラソン・ペトロリアムのガソリンスタンド部門、スピードウェイを、210億ドル(約2兆2000億円)で買収すると発表しました。セブン&アイは今年3月、買収額で折り合わず一旦は断念しましたが、長期的な成長にはアメリカ市場が欠かせないとして、再び買収に踏み出した形です。 | |||||||||||||
米国におけるコンビニの店舗数 |
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この買収は、使い道を間違えなければうまくいくと思います。セブンイレブンは、アメリカで9000店、スピードウェイは今4000店ほどです。買収により1万3000店とダントツの店舗数1位となります。 この店舗を、リアルとサイバーの接合拠点とするのです。サイバーで頼んだものを店舗でピックアップするなどということができれば、1万3000という店舗数はかなりのパワーになると思われます。 | |||||||||||||
ガソリンそのものは今後、電気自動車などが増えるにつれどんどんと需要が減っていき、あまり期待はできないでしょう。しかしやはり、コンシェルジェ的なものや、eコマースを補完するリアルというものは、どうしても必要だと思うのです。その点で、これをうまくやったら、 アメリカで1万3000の拠点を持つということはかなりのプラスになるだろうと思います。つまり活かし方次第ということなのです。 | |||||||||||||
セブン&アイHDの主なセグメント別業績 |
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セブン&アイホールディングスのセグメント別の業績を見ると、国内コンビニ事業が非常に儲けています。海外のコンビニもそこそこの利益を出しています。一方、百貨店や専門店は利益が少なく、さらにGMS、イトーヨーカドーなどのいわゆるスーパーもあまりよくありません。こうした中で、海外コンビニをさらに伸ばしていくということは、セブン&アイにとっては間違った戦略ではないと思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】日本取引所グループ/世界の取引所別デリバティブ出来高(大前 研一) |
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