企業統治/NEC/アバロク/近年のNECの主な事業買収(大前 研一)
2020.11.11(水) | |||||||||||||
企業統治/NEC/アバロク/近年のNECの主な事業買収(大前 研一) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ! | |||||||||||||
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企業統治 |
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日経新聞は7日、「『親子上場』解消急ピッチ」と題する記事を掲載しました。これは親会社と、その子会社が共に上場する親子上場について、2020年度は少なくとも15社減る見通しだと紹介しています。NTTがNTTドコモを完全子会社化するなど、大がかりなグループ再編が相次ぐためで、企業統治の足かせになりかねない親子上場に対する市場の圧力が強まっていることなどが背景にあるとしています。 | |||||||||||||
伊藤忠とファミリーマート、NTTドコモなどの親子上場がありましたが、日本取引所がルールを作って「親子上場そのものが駄目だ」としなければいけないと思います。特に仕切り価格がある場合には、仕切り価格をこちらに持っていくと子が儲かり、こちらへ持っていくと親が儲かるということが起こります。かつてのトヨタ自販とトヨタ自工との間にもそのようなことがあったために親子上場を廃止したのですが、この問題を考えると、やはり「親子上場はいけない」というルールをしっかりと作ることが必要だと思います。 | |||||||||||||
NEC |
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NECは5日、スイスの金融ソフト大手、アバロクを所有する持ち株会社を買収すると発表しました。アバロクは世界30カ国150社以上の金融機関向けにソフトウェアを提供しており、買収によりNECは海外でのFinTech事業に本格参入する考えです。最近のNECによる買収戦略は、有形資産ではなく無形資産を持っているところにシフトしています。 | |||||||||||||
アバロク |
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アバロクという会社は、クラウドによる勘定系システムを提供しており、2000人の従業員の国籍は66カ国に広がっています。金融の勘定系ソフトウェアでは非常に大きな勢力を持っているため、顔認証など生体認証に強いNECがシナジー効果を狙っていると思われます。 | |||||||||||||
近年のNECの主な事業買収 |
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こちらはNECの最近の買収事例です。いずれもハードウェアの企業ではなく、アビームコンサルティングのようなソフトウェアの企業を買うなど、かなり無形のものにシフトしていることが分かります。これがうまくつながり、日本の金融改革やこれから始まる行政のIT化に力を発揮できれば良いと期待しますが、ITゼネコンとして「東京都○○区のシステムを作っている」といったかなり古い事業に関わっている部分を大胆に切れるかどうかが課題です。これからの日本の改革に力を発揮してもらいたいと思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】米パランティア・テクノロジーズ/ SPAC: Special Purpose Acquisition Company(大前 研一) |
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