アント・グループ/アリババグループ/アントフィナンシャルの主なサービス(大前 研一)
2020.11.18(水) | |||||||||||||
アント・グループ/アリババグループ/アントフィナンシャルの主なサービス(大前 研一) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ! | |||||||||||||
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アント・グループ |
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香港取引所がアント・グループの上場を承認したことが、19日明らかになりました。アントは上海のハイテク企業向け市場「科創板」と香港取引所に上場を申請しており、実現すれば調達額は最大でおよそ3兆7千億円と、サウジアラムコを抜いて過去最大のIPOとなる見通しです。ジャック・マーの後にこの事業を任されているのが、井賢棟(エリック・ジン)という人物になります。 | |||||||||||||
この人は非常に器用な経営者で、アリババに入社してからは「余額宝」や、過去の取引履歴を参考に瞬時に融資を行う中小企業向けの「網商貸」という商品を開発しました。 | |||||||||||||
アリババグループ |
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アリババグループには、BtoBのアリババとBtoCのタオペイを行うEコマース部門があります。そしてアントは、アリペイから始まり、投資銀行業務やMMFで資産運用を行う余額宝、そして芝麻信用、金融向けクラウドなどを行うなど、かなりのインパクトがあります。 | |||||||||||||
アントフィナンシャルの主なサービス |
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これがアントファイナンシャルの商品群です。アリペイ、アントフォーチュン、芝麻信用、そしてマイバンクです。このようなものを器用に立ち上げており、例えば余額宝で預かっているお金は28兆円という説もあるなど、どの銀行よりも実際には大きくなっています。そして、それらは全てEコマースで行われており、携帯だけで取引が可能です。 | |||||||||||||
アメリカなどは今、相当この会社を気にしています。今回の上場では3千億円を調達し、上場額は20兆円の時価総額であるという数字が出ています。従って、大理石の中に収まったほとんどの従来型銀行よりも規模が大きく、しかも全部顔認証などを採用するなど、将来の銀行がやりたいことを全部詰め込んだ21世紀型の銀行、金融機関を、このエリック・ジンが生み出したということであり、まだまだ若い彼はこれからも非常に活躍することが予想されます。しかしながら、彼が世界のトップ銀行になろうという野心を抱いた場合は、日本も含めた欧米系の銀行にとっては多大なる脅威となると考えられます。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】企業統治/NEC/アバロク/近年のNECの主な事業買収(大前 研一) |
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