新型コロナ経済対策「シンガポールから見た世界経済トピックス2」(岡村 聡)
2021.1.20(水) | |||||||||||||
新型コロナ経済対策「シンガポールから見た世界経済トピックス2」(岡村 聡) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も前回に引き続き、大反響をいただいています「新型コロナ経済対策」 配信の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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シンガポール経済への影響 |
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シンガポールは人口百万人当たりのコロナの死亡率は5人であり、ベトナムや中国と比べると多少多いものの、全体として優秀な東アジアの中でも非常に少ない被害でとどまっています。コロナの感染拡大防止に成功したことが経済成長にも結びついてくるという予測がされています。 | |||||||||||||
ただし2020年については、4月から5月の2カ月にわたり非常に強固なロックダウンが行われたことで、GDPマイナス6%というかなり厳しい数字が出ています。こちらも年内半ばの予測に比べると多少改善しており、何より2021年の成長予測では、2021年のGDP成長率は年間全体で5%、一人当たりのGDPが6万ドルに達しているという、シンガポールの冬のレベルを考えると非常に好調な数字が予測されています。 | |||||||||||||
シンガポール経済への影響(2) |
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これは我々も日々生活している中でも実感していることですが、シンガポールではこの2カ月は市中感染ゼロという状態が続いており、一般市民のコロナへの懸念はかなり後退している一方、引き続き海外渡航制限は厳しいために強制的にシンガポールの小さな島の中で暮らさなければいけないことから、最近は週末、どのショッピングモールやレストランへ行ってもかなりの長い行列ができ、コロナ前であれば海外で使われていた個人消費のお金もシンガポールの島内で使われています。2021年は、個人消費の急回復が牽引する形で、かなりの経済成長が見込まれると思われます。 | |||||||||||||
年半ばから2%近い上方修正が行われており、もしかすると今後の感染防止が引き続き成功すると、かなり高い数値となってくるかもしれません。シンガポールでは経済的にはかなり明るい光が見えてきているということが、足元の状況となっています。 | |||||||||||||
米国経済、明るい兆し |
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一方コロナの被害が大きかった国として米国は世界でも最大の死者数を出しており、アジアではインドやインドネシアでかなりの被害が出ています。特にインドは、2020年の経済成長率がマイナス9%と大打撃を受け、ベトナムや中国と同等ということで、2021年以降は回復していくものの、2020年プラスであった中国やベトナムと比べると大きな格差が出ています。 | |||||||||||||
一方興味深いことは、世界でも最大の被害を出している米国は、2020年は日本よりは経済的に少ない減少幅でとどまり、さらに2021年は4%と2020年の落ち込みをほぼ一年で取り戻すような急ピッチの回復が予測されています。当然コロナによって大きな被害を出し、ロックダウンや経済的な悪影響が大きかったのですが、一方そのコロナにより進んだDX、デジタルトランスフォーメーションにおいて、リモートワークを牽引するようなZoomやさまざまな銘柄は米国のテック企業であり、何より直近世界経済の回復に期待を持たせているワクチン開発のバイオヘルスケア分野においても米国が主導していくというところにおいて、米国の経済成長は日本と比べて2020年も2021年もプラスで、かつより良い状態であることが突出した動きとなっています。 | |||||||||||||
唯一米国がコロナで大きな打撃を受けながらも回復させることができるのは、グローバル経済全体を主導していく企業がテック企業であるという特殊要因によるところです。 | |||||||||||||
対して、アジアの中では比較的被害が大きく出てしまっている日本は、2020年はマイナス6%で、2021年も2020年の半分に満たない成長率にとどまるという非常に厳しい結果が出ているということで、コロナの影響が経済成長率において2021年まで影響することが予測されているということになります。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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