金融リアルタイムライブ特別マガジン「グローバルマクロと為替動向」(田中 泰輔)
2021.2.3(水) | |||||||||||||
金融リアルタイムライブ特別マガジン「グローバルマクロと為替動向」(田中 泰輔) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も「株式・資産形成実践講座」の大人気コンテンツ 「金融リアルタイムライブ」の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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経済軌道の想定(1) |
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経済の軌道ですが、これまで「レ~」字型回復ということを申し上げてきました。普通の景気サイクルは水色の線のように落ち、徐々に回復力が出てきて加速して成熟段階に入りますが、今回は企業の在庫循環などで在庫が重い、ということで経済が落ち始めるということではなく、コロナによっていきなりこの点に落ちました。これは活動停止をさせられた、つまりロックダウンさせられたということなのですけれども、そこからの活動再開によって急反発しました。その後も手間取っており、カタカナの「レ」の後に波線を打った「レ~」と伸ばしたような形状になるだろうということを、去年の早い段階から申し上げてきておりました。 | |||||||||||||
現状では、この赤い囲みの中に入ってきて落ち、そして秋にかけて戻って、その後回復力は弱く、コロナ第3波によって二番底のようになっているのではないかということですけれども、今後はこれがだんだん持ち直し、コロナのピークアウトからワクチンの普及も進んで経済正常化への流れに向かっていくという前段階に今来ていると思います。 | |||||||||||||
経済軌道の想定(2) |
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それからもう一つ、この「レ~」字型回復とは別に、株式市場などを見るときにはK字型回復の見方が必要です。つまり落ち込んだものが「レ~」字のように戻るという部分と、一方でずっとこの状況の中で打ちひしがれてしまう産業もありました。特にサービス業のうちでは、観光や輸送、交通などに強く出ました。 | |||||||||||||
斜めに上がっているこの線は、コロナ禍だから伸びているクラウドやIT系、医療系などのような非常に強いところがある一方で、本当に大丈夫かと言われるような産業も出ています。実際にはコロナ禍だから伸びたということではなく、コロナ禍になんとか対応できたという類いの企業が相当数あり、一方でなんとか堪え忍んでいるけれども厳しいというところもあるということなのです。 | |||||||||||||
経済軌道の想定(3) |
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この上向いている中に、コロナ禍における中央銀行の金融支援等々により、大変な資金力、金融力がついてパワーアップするところがあります。逆にここで資金繰りの支援をされているから倒産しないで済んでいるという企業も多くあります。先だって、2020年はコロナ禍で苦しかったけれども倒産件数は減っているというニュースが流れていました。それはなぜかというと、資金繰りをつけられているからです。 | |||||||||||||
しかし負った債務をいずれは返さなければいけないという段階になったときに、やはり相当厳しい会社が出てくる可能性もあります。それからこの伸びている中では、この好環境で資金繰りをつけたから強い力を得たというところであっても、政策によるサポートが途絶えて、融資、資金繰りつける銀行の協力もここで打ち止めとなった際に、お金を使い過ぎるなど過剰に走り過ぎていたところの中には、調整を余儀なくされるところがあるかもしれません。そのようなことに気をつけなければいけない状況になっているわけです。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン「日本経済・株式マーケット動向」(福永 博之) |
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