グローバル・マネー・ジャーナル

2021.2.17(水)

ESG投資/主要国の国土に対する森林比率/主な企業の森林保有状況(大前 研一)

2021.2.17(水)
ESG投資/主要国の国土に対する森林比率/主な企業の森林保有状況(大前 研一)
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ESG投資/主要国の国土に対する森林比率/主な企業の森林保有状況(大前 研一)

ESG投資

 日経新聞は21日、「森林持つ企業、評価高く」と題する記事を掲載しました。これは菅総理大臣が18日の施政方針演説で温暖化ガスの排出に価格を付けるカーボンプライシングに言及したと紹介しています。こうした炭素税や排出枠取引の導入は世界では既に進んでおり、欧米では大手の製紙会社など、森林を多く保有する企業の株価評価が上昇しているということです。

主要国の国土に対する森林比率

 これを見ていただくと、日本はフィンランドに次いで国土面積における森林の割合が高く、68.5%を占めています。山の比率も高いということでもあります。スウェーデンも同様です。従って、うまくすると日本もクレジットがもらえるかもしれないということです。

主な企業の森林保有状況

 これが森林保有企業で、王子製紙は19万ヘクタール、北海道だけでも12.7万ヘクタールあり、圧倒的な保有量となっています。他にはパルプなどを作っている製紙会社の日本製紙、そして住友林業が意外に多く保有しています。住友林業は銅山経営から始まったのですが、今では木造住宅のメーカーとして有名です。三井物産や東海パルプもいくつか保有しています。それから意外な会社として、東京電力はダムなどのために水源地を確保する必要から森林を保有しています。
 従って、このようなカーボンプライシングがあると、クレジットが付くということになります。ただし今まではパルプ用チップ材を輸入に頼っていたため、北海道では「あの森は何のためにあるのか」と中国人が買いに来るという話をよく聞きましたが、今後はCO2を吸収してくれる森林は日本にとっては非常に重要なものになるということです。
 しかしブラジルのアマゾンなどは日本に比べると森林保有量は何百倍にもなりますので、そういう点では大したことありませんが、日本においてはカーボンプライシングが本当に進んでいけば、このような会社は若干有利になってくるということです。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
1月31日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】ニコン/セグメント別業績/GINZA SIX(大前 研一)

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