金融リアルタイムライブ特別マガジン「主要通貨為替見通し ~悲観の極みを超えて~ 」(唐鎌 大輔)
2021.3.10(水) | |||||||||||||
金融リアルタイムライブ特別マガジン「主要通貨為替見通し ~悲観の極みを超えて~ 」(唐鎌 大輔) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も前回に引き続き「株式・資産形成実践講座」の大人気コンテンツ 「金融リアルタイムライブ」の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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ドル安を駆動した元高の正体 |
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去年、元高になった理由はなんだったかのかというと、これには理由が主に三つあります。1点目が、実需が厚い、つまり貿易黒字や経常黒字が非常にたくさんあったということです。2点目が、金利差なき世界と言いつつも中国には金利があったので、金利がある通貨としての人民元が買われたことです。そして3点目に関しては、トランプからバイデンになり、バイデンも中国に対して今は割と厳しいことを言っていますけれども、前任者よりはましである、トランプほどの露骨な反中路線は取らないだろうという政治的な期待も人民元買いへの追い風になったと言われています。 | |||||||||||||
実需の厚み |
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とりわけ最初にお話しした2つの理由である、実需と金利というお話をしていきます。左の図の赤い点線で囲っているところを見ていただくと、中国の経常黒字、経常収支が2020年に唐突に増えたことがよく分かります。経常黒字が増えた理由はいくつかあるのですけれども、この図表に載っている項目で言うと、まず貿易収支の黒字が増えたこと、もう1点がサービス収支の赤字が減ったことが指摘できると思います。青い線を見ると、サービス収支の赤字がだいたい半分ぐらいになっていることが分かります。 | |||||||||||||
この理由は旅行収支の赤字が減少したからです。サービス収支は、旅行収支、輸送収支、その他サービス収支の三つからなるのですが、中国人は旅行ができなくなり、旅行できなくなったということは中国人が外に出ていってお金を落としてくる、すなわちそれが旅行収支の赤字ですけれども、そういうフローがなくなった、減ったということが半分になったことの秘密であります。 | |||||||||||||
高い金利水準 |
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これは先ほど言った通り、金利が高かったために、去年は人民元高ドル安に動いたのですけれども、ドルの金利が実際に上がってきているので、既に米中10年金利差が縮小してきています。そのため、これを見る限りでは、これから金利差を見て人民元を買ってきたというトレードは巻き戻されるか、もう出てこないだろうということは指摘した方がよいと思います。このグラフを見ていると、これからピークアウトしていきそうなイメージも湧くのではないかと思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン「コモディティマーケット動向 ~穀物価格~ 」(近藤 雅世) |
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