米供給網/半導体生産能力の世界シェア/レアアースの産出量と埋蔵量(大前 研一)
2021.3.24(水) | |||||||||||||
米供給網/半導体生産能力の世界シェア/レアアースの産出量と埋蔵量(大前 研一) | |||||||||||||
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米供給網 |
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アメリカのバイデン大統領は2月24日、半導体など重要部材のサプライチェーンを見直す大統領令に署名しました。中国などに依存する品目を洗い出し、安定して製品を確保できるよう調達先の分散や国内生産の強化などの具体策を打ち出すもので、日本や韓国、台湾、オーストラリアなどとの連携を視野に入れるということです。 | |||||||||||||
これについては、基本的に誤りだと私は思います。中国だから危ないという短絡的なやり方ではなく、中国製品が危ない理由、それをどうやったら判別できるのか等に投資をして、中国製品あるいは中国政府による情報の窃盗を防ぐためのノウハウを築いていかないといけません。現在はサプライチェーンができ上がっており、そしてほとんどの台湾企業は中国で生産していることから、台湾がOKで中国はNOだとは言えません。 | |||||||||||||
ただ単に中国だからと回避するというやり方では効果が出てこないと思います。医薬品や半導体においても、私はアメリカほどの分析力がある国であれば、どのような形で中国政府が情報を抜いているのか、あるいは抜かれるリスクがあるのかという点をもっと研究をして防いでいく、そのような恐れがなくなることに投資をしないといけないのではと思います。 | |||||||||||||
半導体生産能力の世界シェア |
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これは半導体の生産能力国別シェアで、台湾、韓国、日本、そして中国となっています。台湾を代表するTSMCは中国でも製造していますが、その製品がおかしいものになるとは私には考えられません。TSMCの江蘇省の工場において、中国政府が改ざんを加えることは考えられず、アメリカの考え方は知恵が足りないように思います。 | |||||||||||||
レアアースの産出量と埋蔵量 |
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またレアアースはこれほどの差があることから、中国が脅しの材料として何回も使っています。そしてミャンマーやマダガスカルでのレアアース埋蔵量は未知数であり、生産量において重要視されています。中国回避を考える上で、これらの国をもっと強化していくことが正しいと私は考えます。 | |||||||||||||
中国を物理的に回避するだけでは解決せず、また別の国で作ったとしても中国政府がその気になりさえすれば装置を加えるなど、さまざまな情報を抜き取ることはできるはずです。やはりアメリカの、つまりバイデンのやり方は、トランプとあまり変わらないと私は思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】米株式市場/ゲームストップ株空売りを巡る騒動/乱高下を巡る関係者の主張(大前 研一) |
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