米ラスベガス・サンズ/マカオとラスベガスのカジノ収入/事業別売上高・地域別の業績(大前 研一)
2021.3.31(水) | |||||||||||||
米ラスベガス・サンズ/マカオとラスベガスのカジノ収入/事業別売上高・地域別の業績(大前 研一) | |||||||||||||
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米ラスベガス・サンズ |
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アメリカのカジノでラスベガス・サンズは3日、ネバダ州ラスベガスで運営するカジノ事業をアメリカの投資ファンド、アポロ・グローバル・マネジメントなどに売却すると発表しました。 | |||||||||||||
日本ではIR誘致をめぐる横浜市長選が行われ、大阪では未だにIRに期待すると表明しています。しかし日本のIR入札を画策していた海外の中心人物は、皆いなくなりました。アデルソンは亡くなり、スティーブ・ウィンは失脚して表舞台から消えました。またマカオに君臨していたスタンレー・ホーは超高齢で亡くなり、マカオのカジノは非常に低調となっています。このような状況で、誰が日本のIRのために出資するというのでしょうか。かつて5千億円、1兆円、1兆5千億円といった巨額の投資をすると豪語していた企業の数々は、今や自社の存続さえ危ぶまれている状態です。 | |||||||||||||
マカオとラスベガスのカジノ収入 |
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これがカジノ収入です。ラスベガスにはカジノ以外の娯楽があるものの、カジノ自体の収入もなんとか維持できています。しかしマカオはこのような状況で、中国では「トラもハエもたたく」と言っているため、マカオのカジノは元には戻らないと思われます。このような事態になっても、日本は未だIRに期待しているのです。 | |||||||||||||
事業別売上高・地域別の業績 |
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サンズにおいては、カジノ収益および宿泊客が激減しました。これを見ても、日本のIRが厳しいことは明白です。 | |||||||||||||
またラスベガス・サンズの地域別業績は、マカオでは赤字、シンガポールではなんとか黒字を維持、ラスベガスでも赤字になっています。コロナ禍により、本家においては足腰が立たないほどのダメージを受けました。そのような中、日本では「カジノをめぐってどうしていくか」が横浜市長選の争点になってはいますが、アデルソンとスティーブ・ウィンが消え、海外からのIRへの巨額投資が見込めない今、いったい日本はどうやってカジノを運営していくのか。これが現在の日本が置かれている状況です。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】米供給網/半導体生産能力の世界シェア/レアアースの産出量と埋蔵量(大前 研一) |
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