マイナンバーカード/主要国の番号制度/主要国の10年債の利回り推移(大前 研一)
2021.4.21(水) | |||||||||||||
マイナンバーカード/主要国の番号制度/主要国の10年債の利回り推移(大前 研一) | |||||||||||||
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マイナンバーカード |
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マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みについて、厚生労働省は3月末に予定していた全国での本格運用を10月に先送りする方針を固めました。健康保険組合などが加入者の情報を誤って入力したり、そもそも情報を知らせていないことなどで、本人確認ができない事例が数千件に上ったということです。 | |||||||||||||
日本における「消えた年金」事件があった際に年金機構は何をやっていたかと言うと、作業が面倒になると途中で「0000」と入力するなどといった事例が各所でありました。今回も4千人分のマイナンバーの誤入力により、保険証代わりにマイナンバーカードを利用することができなくなったということです。加えて医療機関でマイナンバーカードを利用するには読み取り機が必要となりますが、現在3割程度の導入にとどまっており、日本は何をやっているのだと嘆かわしい状況となっています。 | |||||||||||||
主要国の番号制度 |
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ドイツ、英国、米国、スウェーデンでは番号制度が確立していますので、これらを利用して税金対策や年金対策を行っています。しかし日本の場合には住民票からスタートしているため、目的がそもそもはっきりしていません。マイナンバーの入力についても日本は外部業者に任せ、そして委託された業者においても「0000」などと適当に入力するといった不正が行われており、しかもそれらをクロスチェックする方法も確立していません。そういったことから健康保険証代わりにマイナンバーカードを利用することは、現段階では無理だということが分かりました。「This is 日本」ということです。 | |||||||||||||
主要国の10年債の利回り推移 |
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FRBは4月17日、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を示しました。 しかしグラフを見ると、ゼロ金利政策を維持していると言えるかどうかは疑問です。これがアメリカとオーストラリアの利回り推移で1を超えており、やはりオーストラリアのほうが若干高くなっています。イギリスのポンドベースでは1.0%未満、そして日本は0.2%未満にへばり付いています。 | |||||||||||||
そういうことから日本円で運用するよりも、豪ドルや米国ドルに変えてしまうほうが得であることが分かります。少なくとも金利分は得をします。従って日本から豪ドルや米ドルに逃げていくことになり、結果的に円安にならざるを得ない状況になると思います。今は109円ですが、この状態が続くと120円ぐらいに進むのではと考えます。今の状況がゼロ金利であるというには無理がありますが、FRBのパウエル議長は今後もかなりの人為的な緩和を続けていくと思われます。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】国内雇用情勢/主要国の平均賃金の推移/主要国の平均インフレ率の推移(大前 研一) |
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