金融リアルタイムライブ特別マガジン「新築マンション市場の現状と今後 ~首都圏を中心に~ 」(井出 武)
2021.7.7(水) | |||||||||||||
金融リアルタイムライブ特別マガジン「新築マンション市場の現状と今後 ~首都圏を中心に~ 」(井出 武) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日は「株式・資産形成実践講座」の大人気コンテンツ 「金融リアルタイムライブ」の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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新築マンション市場の現状と今後 ~首都圏を中心に~(1) |
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こういうコロナ禍であっても、雇用問題がほとんど出ていない業種もありますし、給料がほとんど下がらず、むしろ上がっている業種もあります。そういう人たちや、あるいはあまり関係がない公務員の方などが住宅ローンで買う際は、むしろ金融機関にとってはウェルカムであり、こうした意味では非常に安定的に推移するという状況でもあるわけです。 | |||||||||||||
例えば飲食業界や自営業の方は残念ながら、もともと住宅ローンをそもそも組みにくいというシステムでした。これがいいことか悪いことかは別として、または預貯金がものすごくある方は別なのでしょうけれども、そういう方々はもともと賃貸に住んでいらっしゃる方が多いので住宅系、特に売買系の不動産にはあまり影響しなかったという側面もあるかと思います。 | |||||||||||||
新築マンション市場の現状と今後 ~首都圏を中心に~(2) |
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それからもう一つ、これも強調しておきたいのですが、ポストコロナという動きになっています。コロナの流行当初は、郊外化という動きが起こるのではないか、だから東京から脱出する人が増えていると一部報道であったのですが、最近ではそのような報道はなくなりました。現実に私は人口増大を見ていますが、このところでは東京がまた流入超過になっています。元に戻ったということです。だから当然、元に戻るというふうに私どもは見ていたのですが、現実にこうなると報道されなくなるのは、報道する側の姿勢の問題であり、ニュースネタに合わないと報道しなくなるということなので、このようなことにとらわれると間違えた情報をつかんでしまいます。やはり東京に、人は戻ってきているわけです。 | |||||||||||||
今はワクチン接種がどんどん進んでおり、高齢者の方が優先的に打っていますけれども、早晩、全員にいきわたるでしょう。そうなったときには、完全にポストコロナになるわけです。もしかしたらマスクを付けなくてもいい状況になれば、普通のマンション市場に戻って、東京に人が戻ってくると考えるのが正常だろうと思います。 | |||||||||||||
これが分かっているのであれば、例えば貸している人が家賃を下げる必要はありません。今、東京で物件を買おうと思っている人が、これから郊外化するかもしれないから東京で買うのをやめようという路線でいくかということなのです。東京に人が戻ってくるのが明らかであれば、東京の物件を買い求め、あるいは大阪や福岡の中心部の物件や、地方都市である札幌、仙台、広島なども含めて、人口がある程度ボリュームがあって地域産業がきちっとあるところを手堅く買っていくという、従来のスタンスを変更する必要はないと考えているわけです。ですから、前述の主要都市では強く動く、特に投資的な側面ではそういった動きがさらに強まっているということです。 | |||||||||||||
新築マンション市場の現状と今後 ~首都圏を中心に~(3) |
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それから三つ目は、賃貸経営です。コロナの影響として、賃貸系では社会的な立場の弱い人がお住まいになっている比率が高いので、若干昨年の後半辺りは弱く出ていたのですが、今年に入ってからは戻る動きが出ています。これは人の戻りと、そこを貸している大家さんのスタンスが元に戻った、あるいは強気を維持したという動きがあるのです。大学の学生さんをイメージしてもらうといいですが、昨年はほとんど上京せずに自宅で学習していた方が、さすがに2年続けて東京に出てこられない、上京しないでキャンパスライフを送れないということはないだろう、キャンパスに戻る人が増えるだろうと、当然貸す側も、借り手がついているので賃料が元に戻るという動きになって、需給バランスも元に戻ってくるわけです。人口増大も元に戻っているという動きが実際に起こっているので、不動産マーケットは郊外化やコロナショックから、だんだん抜け出す動きになってきていると、私は考えるべきだろうと思います。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】資生堂/資生堂と花王の株価推移/資生堂のセグメント別業績(大前 研一) |
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