金融リアルタイムライブ特別マガジン「国内注目企業分析 ~オイシックス・ラ・大地~」(栫井 駿介)
2021.9.22(水) | |||||||||||||
金融リアルタイムライブ特別マガジン「国内注目企業分析 ~オイシックス・ラ・大地~」(栫井 駿介) | |||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も「株式・資産形成実践講座」の大人気コンテンツ 「金融リアルタイムライブ」の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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国内注目企業分析 ~オイシックス・ラ・大地~(1) |
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オイシックス・ラ・大地は、1997年に創業しました。2000年に食品の宅配事業を始めます。2013年に東証マザーズ上場、2017年には「大地を守る会」を吸収合併しました。それから2018年に「らでぃっしゅぼーや」を子会社化、2020年には東証一部に上場しています。2017年「大地を守る会」を吸収合併したので、社名に「大地」が加わりました。それから2018年「らでぃっしゅぼーや」を子会社化して、「ら」がここに入るという、非常に面白いネーミングとなっています。 | |||||||||||||
どういったビジネスをしているのかというと、食品の宅配です。上記の画像は「おためしセット」ですが、これは食品、特に食材を詰めて送っています。そして最近では、既に切られた野菜などと一緒に調味料も付けて、それを説明書に従って料理するだけというミールセットも非常に売れています。業績を見てみますと、オンライン、ネットであるから、飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びていたのではないかと思ってしまいがちですが、この会社は実は非常に苦労していたのです。 | |||||||||||||
国内注目企業分析 ~オイシックス・ラ・大地~(2) |
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2012年から売上高はじわじわと伸びてはいるものの、利益に関しては鳴かず飛ばずです。なぜかというと、非常に難しいビジネスであるからです。食品の宅配ですから、もちろん鮮度が重視されます。そして一戸一戸に持っていくことになると、どうしても宅配コストがかかってしまいます。ですから消費者に届くときには、かなり割高になっているのです。自然や安心安全などを重視していますから、商品価格がそもそも高いのに加え、さらに宅配コストがかかることで、かなり裕福で、こだわりを持つ消費者でないと手が出せないという、ニッチな世界にとどまっていたのです。ところが2018年から2019年辺りから、急に伸び始めました。どうして伸びたのかというと、単純ですが「大地を守る会」の吸収合併と「らでぃっしゅぼーや」の子会社化によるものでした。 | |||||||||||||
国内注目企業分析 ~オイシックス・ラ・大地~(3) |
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「らでぃっしゅぼーや」と「大地を守る会」は、実はいずれもオイシックスと似たようなビジネスをしていました。食材の宅配を行い、そこには安心安全があって、産地、特に生産者を意識し、そしてさらに消費者を意識して有機野菜を採用するなど、そういったことを行っていました。これら3社は、市場自体が非常に小さい中で競争していたのです。そもそも小さく厳しい業界であるのに、そのような状況で戦ってもどうしようもないと考えたのではないかと思います。オイシックスは、これらの2社を合併することによって、まずは大きくなりました。 | |||||||||||||
そのようなときに、このコロナ禍となりました。2021年3月には業績がうなぎ登りとなって、一気に利益が何倍にもなりました。皆さんはお分かりかと思いますが、コロナ禍で皆さんの在宅時間が増えたことで、食材の宅配や、先ほども少しお話ししましたミールセットが利用されるようになりました。自宅で料理を作るようになって、しかし一方では外食が減っていますから、食事にかけられるお金は、ある程度は増えています。当然、外食をすると、それなりにお金は多くかかります。しかし宅配を利用すると、多少高くなっても外食よりは安く済み、しかもいい食材が買えます。しかも外出しないことで、人との接触を避けて食材を手に入れられるということから、一気に伸びたわけなのです。 | |||||||||||||
【講師紹介】 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン「主要通貨為替見通し ~ワクチン相場から金融政策相場へ~」(唐鎌 大輔) |
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