金融リアルタイムライブ特別マガジン「ウクライナ情勢によるインフレ懸念と資産運用への影響」(栫井 駿介)
2022.4.20(水) | ||||||||||||
金融リアルタイムライブ特別マガジン「ウクライナ情勢によるインフレ懸念と資産運用への影響」(栫井 駿介) | ||||||||||||
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資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も「世界経済分析」や「資産形成の学び」 に役立つ情報をお届けして参ります! 本日も「株式・資産形成実践講座」の大人気コンテンツ 「金融リアルタイムライブ」の内容を一部抜粋して皆様にお届けします! |
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ウクライナ情勢によるインフレ懸念と資産運用への影響(1) |
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2014年にウクライナに新欧州政権、新欧米政権が誕生しました。それまでは、もともとウクライナというのはソ連から独立した国なのですが、独立後も親ロシア系の政権がいましたので、ロシアとは長く仲良くやっていたのです。ところが住民はロシア系の住民よりもウクライナ系の住民が多く、政権が変わったことによって、どんどんヨーロッパのほうに近づいていったのです。 | ||||||||||||
地理的に見ますと、ウクライナはロシアとヨーロッパの中間に属するところにあります。このウクライナがヨーロッパに近づくことにより、一つは経済的な結び付きをEUと強めていこうという思惑があり、もう一方では軍事的な問題があるわけなのです。ヨーロッパというと多くの国が北大西洋条約機構NATOに加盟しています。このNATOはもともとソ連を代表する東側諸国に対抗するためにできた軍事同盟なのですが、ソ連崩壊後はこのNATOとロシアは必ずしも直接的な敵対関係というわけではありません。 | ||||||||||||
ウクライナ情勢によるインフレ懸念と資産運用への影響(2) |
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しかしロシアとしてはNATOが近くにまで来るというのは非常に安全保障上、嫌なところがあるわけです。なのでウクライナがヨーロッパに近づいてNATOに入るということになると、最悪としてはウクライナにこのNATO軍が駐留して、いつでもロシアと隣接しているという状態になってしまうわけなのです。ロシアのプーチン大統領はそれを嫌がって、このウクライナに圧力を掛けてきたという背景があります。 | ||||||||||||
このロシアの圧力が話し合いで解決できれば良かったのですが、2022年2月24日にロシア軍が力で何とかNATOの加盟を阻止しようということでウクライナへ侵攻を開始しました。現在3月3日の時点でもまだ戦闘は収まっていません。両国の代表が停戦のための協議を開始はしたのですけれども、膠着状態が続いているということになっています。 | ||||||||||||
ウクライナ情勢によるインフレ懸念と資産運用への影響(3) |
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この状態を受けて今後何が懸念されるのか、主に経済的な側面から考えていきたいと思います。ロシアは、世界でも有数の産油国です。このままですとロシアから、欧米諸国が原油を買う、あるいは天然ガスを買うというのはなかなか難しくなってくるということが考えられます。一方で原油自体、天然ガス自体は必要であるので、ロシア以外の国から値段が高くなってでも買わないといけないという局面がやってくるということが考えられます。 | ||||||||||||
さらにロシア、ウクライナは、世界有数の小麦や穀物の生産国でもあります。そこから輸入がストップする、あるいは物流や、経済的な結び付きが途絶えることによって、サプライチェーンの混乱によるインフレが懸念されます。既にロシアの銀行をSWIFTという世界の銀行のシステムから締め出すという動きが起きていますから、今までグローバルにつながっていた流れがぶつ切りになり、混乱による物価の上昇によって、コロナ禍で既に発生しているインフレに拍車を掛けることが懸念されるわけなのです。 | ||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン「主要通貨為替見通し」(唐鎌 大輔) |
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