米ツイッター/イーロン・マスク氏/英シェル(大前 研一)
2022.6.8(水) | ||||||||||||
米ツイッター/イーロン・マスク氏/英シェル(大前 研一) | ||||||||||||
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米ツイッター |
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アメリカのツイッターは4月5日、テスラCEOのイーロン・マスク氏を取締役に迎える人事を発表しました。マスク氏はツイッターの株式9.2%を取得し筆頭株主になったことが4月4日、明らかになりましたが、この人事についてツイッターのアグラワルCEOは過去数週間の会話を通じて「マスク氏が取締役会に価値をもたらしてくれることが明確になった」と説明しました。 | ||||||||||||
マスク氏は、こういうことをいつもやります。ツイッターに対して問題ある発言でハチャメチャに攻撃して叩きのめし、自分がツイッターに代わる対抗馬をつくると言うわけです。こうしてツイッターの株が落ちる状況へと追い込んだ後に株を買ったとすれば、これは完全なインサイダー、株価操作となります。これをまた今回もやってしまったのでしょう。ただここまでの状況となると、取締役会に入れて言い分を聞きましょうとなったのではないかと私は思います。倍ぐらいの額での買収はマスク氏にとっては平気なことですから、何をやるか分からない彼を早めに取り込んでしまったという感じでしょうか。 | ||||||||||||
イーロン・マスク氏 |
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一方マスク氏は、ネット回線がガタガタになっているウクライナにスターリンクによるインターネット環境を提供し、かつ大変な数のデスクトップのルーターを届けました。それにより私たちもゼレンスキー氏の演説を見ることができたわけです。ゼレンスキー氏をはじめウクライナの人々は、彼に非常に感謝していることでしょう。また今回の支援はウクライナ政府の要請からわずかな期間で実行され、大量のルーターについては翌週には届けられたということで、彼の「言ったことはすぐにやる」という姿勢を私は非常に評価しています。 | ||||||||||||
しかしツイッターの一件は、ツイッターを追い出されたジャック・ドーシー氏と仲が良いマスク氏が、仲の良くないアグラワルに対する嫌がらせ、ドーシー氏への援軍という意味で行ったことではないかと私は思っています。そういう意味では少々嫌な臭いがしています。しかしながら、スターリンクについては何回拍手しても足りないほど素晴らしく、個人でこのようなことができる人は世界中に彼だけです。しかも自分の衛星からやっているのですから、さらにすごいことです。現代の天才事業家には、プラスの面ももちろんあるということなのです。 | ||||||||||||
英シェル |
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イギリスの石油大手シェルは4月7日、ロシアからの事業撤退に伴う損失を2022年1月から3月期に最大50億ドル、およそ6200億円計上する見通しを示しました。ロシア事業の固定資産はこれまでおよそ34億ドルとしていましたが、売掛金の引当金計上などで損失規模が拡大する見通しだということです。 | ||||||||||||
これは大変な痛手だと思います。日本企業はこういったことがなかなかできません。シェルは四半期だけで6200億円のロスを見通しながら、ロシアからの撤退を決めました。 | ||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】政策金利/主要国の10年債の利回り推移/核融合発電(大前 研一) |
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