米株式市場/ダウ平均の推移/米国の物価上昇率の推移(大前 研一)
2022.7.20(水) | ||||||||||||
米株式市場/ダウ平均の推移/米国の物価上昇率の推移(大前 研一) | ||||||||||||
|
||||||||||||
資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびに一流講師陣から学ぶ!
本日も「世界経済分析」や「資産形成の学び」 に役立つ情報をお届けして参ります! |
||||||||||||
| ||||||||||||
|
||||||||||||
米株式市場 |
||||||||||||
5月20日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は、前の日に比べ8.77ドル高い3万1261ドルで取り引きを終えました。しかし週間では900ドルを超える値下がりで、3月下旬から8週連続の下落となり、1932年の世界大恐慌以来90年ぶりの連続下落記録となっています。 | ||||||||||||
FRBのパウエル氏と市場との対話が成り立っていないように思います。パウエル氏は単純なインフレだと考え、金利を高くすればいいと思っています。パウエル氏の処方が間違っていることへの警告が、市場側から出てきてるのです。それからGAFAなどのIT、AI関係に少々期待が行き過ぎて、いわゆるプライス・アーニング・レシオが急激に上がってしまったことへの修正という意味合いもあると思います。大恐慌以来だと言うけれども、大恐慌のときとは事情が違うのです。 | ||||||||||||
ダウ平均の推移 |
||||||||||||
これを見ると、数値が落ちているのが分かります。しかし長い間1万ドルからずっと上がり続けてきましたので、少しぐらい落ちたとしても、まだ稼いだ部分が残っているではないかと思います。 | ||||||||||||
そして、こちらが前日比です。かなり動きが出ています。 | ||||||||||||
米国の物価上昇率の推移 |
||||||||||||
これは物価上昇率で、こちらが燃料と食品を除いた数値です。燃料の部分が大きくなっています。そして、それ以外の部分でも上昇しています。ということは、パウエル氏のように金利を上げてインフレを征服しようとしても、関係がないのです。物そのものの値段が上がっているのは供給不足が原因です。例えば小麦がウクライナから入ってこない、油などが手に入らないといったことなのです。金利を上げて抑えられるようなインフレではありません。 | ||||||||||||
単純に金利を上げてインフレを抑えようと考えるパウエル氏の判断ミスであり、そこにマーケットが過剰反応をしています。このままさらに0.75まで上げていくとも言っており、こんなことを続けていると企業活動も駄目になってしまうでしょう。インフレ的に見えたとしても、今の状況は物価上昇であり、金利を上げる局面ではありません。金利を上げても収まることはないのです。黒田氏は金利を上げられないという反対の問題を抱えていますが、パウエル氏に関しては市場の制裁だと思います。 | ||||||||||||
【講師紹介】 | ||||||||||||
|
||||||||||||
▼その他の記事を読む:
【前回の記事】トルコ経済/世界株式市場/ダウ平均の推移(大前 研一) |
||||||||||||
|