米政策金利/日米欧の政策金利の推移/主要国の10年債の利回り推移(大前 研一)
2022.8.24(水) | ||||||||||||
米政策金利/日米欧の政策金利の推移/主要国の10年債の利回り推移(大前 研一) | ||||||||||||
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米政策金利 |
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FRBは6月15日、0.75%の利上げを決定しました。0.75%の上げ幅は、およそ27年半ぶりです。パウエル議長は金融引き締めが景気を冷やすとの市場の懸念について、アメリカ経済は金利の上昇に対処できる強い状況にあり、十分な体制が整っているとの見方を示しました。 | ||||||||||||
これがインフレ対策だということですが、アメリカのインフレ、物価高は物理的構造的な問題であるため、金利を上げても収まらないと思います。需要が非常に強くて、いくら払っても買いたいという時は金利を上げると駄目になってしまいますが、今のように石油が高い、何々が高いといった状況では金利を上げたところでうまくいかないのです。 | ||||||||||||
パウエル氏は物理学を勉強したほうがいいと思います。今は新しい経済で、需給関係ではなく物理的な問題によって値段が上がっているのです。それを黒田氏もパウエル氏も理解していません。経済学や社会科学を勉強した人の特徴的な考え方ですが、誰かのセオリーを使って解釈しようとします。私のような物理屋の考え方からすると、供給不足が原因であるので今のパウエル氏のやり方では駄目だということはすぐに分かります。 | ||||||||||||
日米欧の政策金利の推移 |
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いずれにしても結果的には1.50から1.75で、伝統的に見れば、まだそれほど高い領域ではありません。日本との差が大きいので日本は苦しいですが、これ自身はそれほど不当な高さではなく、もう少し金利を上げてもいいと思います。クリントン政権の終わり頃には、5~6%でした。 | ||||||||||||
2019年に2.25だったところから下がって、長い間ゼロ金利に近いところで我慢し、そして今1.5から1.75になったわけです。これは無茶な数字ではありませんが、今アメリカで起こっている見かけ上でのインフレを抑えるには、この政策では成功しないでしょう。供給が足りないことで起こっているインフレなのですから。 | ||||||||||||
主要国の10年債の利回り推移 |
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これが10年債の利回りです。アメリカもオーストラリアも急激に上がっていますが、日本は全く上がっていません。日銀が抱え込んで抑えているからです。今の日本の状況は、人為的な問題から起きているのです。 | ||||||||||||
【講師紹介】 | ||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】企業物価/米住宅市場/ユニクロ(大前 研一) |
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