グローバル・マネー・ジャーナル

2022.10.26(水)

金融リアルタイムライブ特別マガジン「日本人にとって金の投資とは何か」(近藤 雅世)

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金融リアルタイムライブ特別マガジン「日本人にとって金の投資とは何か」(近藤 雅世)
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金融リアルタイムライブ特別マガジン「日本人にとって金の投資とは何か」(近藤 雅世)

日本人にとって金の投資とは何か(1)

 金はスタグフレーション、つまり現在のようなデフレともインフレともとれる、かつ景気の悪いときには金はパフォーマンスが良かった、コモディティも良く、そしてグローバル債券が次で、あとはマイナスであるというゴルディロックスという名前のおとぎ話があります。要するにどっちつかずで、スタグフレーション、デフレでもなくインフレでもなく、その真ん中にあって景気も中間にある、それをゴルディロックスと言いますけれども、そのときには金はあまりたいしたことはありません。
 コモディティはまあまあで、他のもののほうが良いという、リフレのときには金は駄目でデフレのときには金はいいです。スタグフレーションとデフレのときに金は良く、景気がいい場合はあまり良くありません。宝飾品などは売れますが、他のものが売れなくなります。他にいい投資があると金はもうからなくなり、逆に他の投資がなかなかうまくいかないときにはお金がやってくるということです。

日本人にとって金の投資とは何か(2)

 先ほど言いました日本のGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人が過去のパフォーマンスで金を取り込んだ場合には、3.6の利回りが4.14と1%上昇しました。これはマイナスが減り、プラスになったということで、ドローダウンがなくなりました。ファンドのマネジャーなどを採用する場合には、当然、過去の自分のパフォーマンスを出してくるわけで、立派な収益があるわけです。しかしドローダウンを持ってくる人はいませんので、ドローダウンの表を見せてくださいと指示します。それはドローダウンが大きければ、とてもじゃないけれどもファンドマネジャーとしては雇えないからです。
 つまり、大もうけをするけれども大損もするという人は駄目ということです。損をいかに抑えるかにより、プラスが増えるというのが正しいファンドのやり方です。必ずしも大当たりをすることを望んでいるわけではなく、大損はしないという人が一番いいわけです。ということで、大損をしないためには金を入れておいたほうがいい、株価が下がったときに金は上がるから逆相関になります。いったん変動幅も小さくなって、リスク調整後のリターンが大きくなり、それから最大ドローダウンが少しですけれども減りますと書いてあります。

日本人にとって金の投資とは何か(3)

 調整後のリスクリターンが0.35だったのが0.54になった、金を入れたら大きくなった、最大損失率はあまり変わっていない、18.43が18.17に少し減っているということでございます。金価格そのものでも1971年以来6%のパフォーマンスがあって、前もお話ししましたが純金積立を30年間やった人と、NISAのような毎月積み立てる株式積立、それから預金をする人、そういったものを比較すると金が圧倒的に勝っています。金のパフォーマンスは、長期になればなるほど金が良くなるというのは過去の現実でございます。
 株価は上がったり下がったりで、時期により安値で買ったときには大もうけができます。ただし高値でつかんだら、どこまでいってもなかなか元に戻らないという状況です。アメリカの株はここ十何年では非常に良かったので、黙っていてももうかっていました。しかし、そろそろ頭打ちなので、前はアメリカ株を持っていれば誰でも大もうけができたのですが、ちょっと難しくなっています。
【講師紹介】
株式会社コモディティーインテリジェンス
代表取締役社長
近藤 雅世
2022年8月12日のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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【前回の記事】独経済対策/独電力政策/ドイツの発電における電源別比率(大前 研一)

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