グローバル・マネー・ジャーナル

2022.12.7(水)

円相場/対米ドルでの円レートの推移/日米欧の政策金利の推移(大前 研一)

2022.12.7(水)
円相場/対米ドルでの円レートの推移/日米欧の政策金利の推移(大前 研一)
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円相場/対米ドルでの円レートの推移/日米欧の政策金利の推移(大前 研一)

円相場

 10月21日の外国為替市場で、円が一時、1ドル151円94銭を付け、32年ぶりの円安ドル高水準となりました。しかしその後、円が急騰し、わずか1時間ほどで146円台まで上昇。神田財務官は介入の有無についてはコメントしかねると述べたものの、9月に続く円買いドル売り介入に踏み切ったと言われます。
 日本が金利を上げるとどうなるかというと、景気が良くなると思います。日本には2000兆円という個人金融資産があると言われているように、一般の人々はお金をいっぱい持っているわけですから。しかしながら日本では金利を上げたほうがいいのが分かっているのに上げないと言っているのです。これは黒田氏の勘違いです。

対米ドルでの円レートの推移

 従って、円安ドル高といったこの傾向に歯止めがかからないのは当たり前です。

日米欧の政策金利の推移

 なぜかと言えば、この金利差だからです。お金を置いておくのであれば米ドルにしたほうが利回りは高く、そして通貨も強くなるのですから、米ドルにするのは決まっているではありませんか。これが反転するわけはありません。なぜゼロ金利をやっているかというと、黒田氏の頭の中ではゼロ金利が景気を良くすると凝り固まっているからです。しかしゼロ金利を長い間続けても景気は良くなっていないのですから、少しは違うことを考えればいいのです。
 2000兆円の個人金融資産がある国では金利を上げたほうが、その金利分は年末には個人が新しく使えるお金となることから、とてつもなく有利なのです。預金等だけで1000兆円であるならば、5%の金利となれば50兆円が出てきます。1000兆円の中から、ぽんと50兆円が出てくるのですから、素晴らしい景気刺激策です。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
10月23日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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【前回の記事】金融リアルタイムライブ特別マガジン「株式市場と予測される相場動向について」(福永 博之)

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 「老後2,000万円問題」がメディアで取り上げられるなど、超高齢化に向かう社会を生きる日本人において、資産形成は今後益々重要な意味を持つようになります。日本では欧米と異なり、金融・資産に関する教育が学校教育に組み込まれていないため、まずは基礎的な事実や状況を把握することが必要です。
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それでは、次回のグローバル・マネー・ジャーナルもどうぞお楽しみに!
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