グローバル・マネー・ジャーナル

2018.9.5(水)

トルコ問題と米選挙の関連性(藤本誠之)

  
2018.09.05(水)
トルコ問題と米選挙の関連性(藤本誠之)
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トルコ問題と米選挙の関連性(藤本誠之)

【米中貿易摩擦】中間選挙に向けたプロレスショー

 米中貿易摩擦はエスカレートし、お互いに関税をかけ合っているところです。
 これを受けて、ニューヨークダウのチャートと、上海総合指数のチャートを見比べると、明らかに上昇するアメリカ、下落する上海という状況が分かります。
 どちらが痛いのかと考えると、やはり中国側なのです。関税をかける場合、アメリカの方が大量に輸入をしているので、その意味でアメリカの方が関税をかけやすいわけです。中国側は確かにアメリカからものを買っていますが、そこに関税をかけようとしても、同じ金額分はかけられないのです。
 そうして考えると、中国側がいかに折れていくかということになってくるでしょう。
 ただ、アメリカも中国も本気で戦争するつもりはないでしょう。本気で経済戦争を仕掛けてしまったら、お互いの返り血が凄すぎるからです。
 お互いに相手を傷つけようとすると自分も痛むのです。関税をかけると言って攻めれば、相手も関税をかけ返してくるわけです。20%かければ、相手は25%と言ってくるかもしれません。金額ベース、数量ベースでアメリカの方が多いのでアメリカが有利と考えられがちですが、関税の率は、中国側もいくらでも上げられるのです。
 お互いが本当にガチンコでやりあってしまうと、お互いの国民に痛みが出るのです。
 例えば、アメリカがどんどん関税をかけるとした場合、中国から輸入したものは関税によってその値段が上がり、その分物価が上がり、アメリカ国民は多くを買えなくなってしまうのです。インフレという状態になり、経済にとっては大きなマイナスになってしまいます。また企業にとっても悪材料です。
 世の中にはいろいろな部品があり、パーツを買ったりそれを組み立てたりなどの活動が行われているわけですが、中国製品が混じっていると、そこに関税がかけられることによりコスト高になってしまいます。これも企業にとっては大変きつい状況です。
 こうしたことを招くのは明らかで、実際は、この状況はプロレスではないかと思います。
 いきなりストリートファイトで頭のおかしい人同士がボコボコに殴り合っているということではなく、あくまでショーとしてやっているのです。プロレスは殴ったり蹴ったりしているものの本当に人が死ぬところまでやるわけではありません。米中もそのようなもので、お互いの国民に見せるためのものなのです。
 トランプ大統領はアメリカ国民に対して、中国はこんなにずるいことをしているので、俺が懲らしめてやった、相手を反省させて何とか言うことを聞かせるぞと、見せているのです。
 これはもちろん、中間選挙があるからです。やはり中間選挙では当然勝ちたいわけで、それには、自分に対しての不満を他の人に向ければ良いのです。中国が悪いからと言って、一人を悪者にして、それに制裁を加えることによって、自分の人気を上げるということなのでしょう。どちらが勝つにしても、中間選挙が終われば、このことに対してのリスクは少し遠のくだろうと思います。
 ただ、それでも無くなることはないでしょう。やはり中国は様々な貿易障壁などがあり、さらに知的財産権もよく問題になっています。
 中国に進出した企業が技術を全部盗まれるという事はよくあるわけで、アメリカ企業としては、これを止めさせてほしいと思うわけです。
 中国は、完全100%外資だけで起業ができない上、いろいろな制限もあり、中国資本を入れて合弁という形でしか進出ができないケースが多いわけですが、その場合、その合弁先が結局技術を持っていってしまうのです。
 合弁企業を作って、こちらから技術を提供することで、その技術自体が相手企業に流れます。ずっと同じ合弁を続けていければ良いのですが、どこかで仲違いしたときに、結局技術だけが流出してしまうということを、アメリカ企業も日本企業も何とか防ぎたいと思っているのです。
 そうした状況がある限り、中国との貿易問題はすぐには終わりにはならないでしょう。ここから5年、10年というタームでこの問題は続くと思います。
 今までは世界一がアメリカで、日本が二番でしたが、日本が転落して中国が二番になった以上、一位と二位の争いというのは基本的には続くのです。日本の場合はアメリカの核の傘の下にいたということもあり、アメリカとの関係性の中で面と向かって歯向かう形にはなりませんでした。
 しかし中国とアメリカとなると、根本的に仲が良いわけではないので、より難しい問題です。ここから先、緊張が緩まる部分もあり、基本的にはプロレスなので少しずつ落ち着いていくのではないかと思います。
 そうした中、米中貿易摩擦というのは日本株の大きな下落要因とはならないだろうと見ています。
 ただ貿易問題が長引く中で、たまにトランプ大統領のTwitterなどで謎の発言が出てきては、よくわからない中、日本株が大きく売られ円高になる、しかし米株はあまり反応しないのを見て、再び日本株が戻るという、今までによくあった動きがまた繰り返されることにはなるでしょう。

【トルコ問題】時間とともに収束方向へ

 もう一つこの3カ月間の中で大きな問題が生じたのがトルコです。
 これは、アメリカ人牧師をトルコ政府が拘束したところから、返せ返さないという争いに発展したものです。
 この問題も実は、アメリカの中間選挙に大きな影響があります。キリスト教の牧師は、ある一定その票を持っているからです。その層の票をとるため、きっちりと対応しトルコから牧師を取り返したと、自分の手柄にしたいというのがトランプ大統領の考えなのです。
 その理由でトルコに対して非常に厳しいことを言っているのです。トルコ側も折れれば良いのですが、なかなかそうもいかず、エルドアン大統領も対抗しています。
 本来為替で考えた場合、トルコの場合の問題点は経常収支が赤字で、しかも成長を外資に頼っている点です。内需がそれほどなく、外資に頼っており、しかも短期的な借り入れで、ドルベースで借りているという、もともと脆弱な経済だったわけです。
 さらに脆弱であるがゆえに高金利でもありました。資本が出て行っては困るのでそれを留めるためにも高い金利という形になっていたわけです。
 そして今回のトルコ問題の影響を大きく受けたのが日本の個人投資家です。FXでトルコリラを買っていた人たちです。
 なぜそのようなマイナーな通貨を買うのかというと、実は高金利なのでスワップと言われる金利が得られます。FX取引をしたときに円を売ってトルコリラを買うことにより、トルコの金利がもらえます。
 円金利は払わなくてはなりませんが、円はほとんど金利がゼロなので、トルコの高い金利が享受できるというわけです。
 さらにFX取引なので、レバレッジをかけて元金の何倍も買うことができ、何倍分ものスワップがもらえるわけで、元金と比べて大変な利回りになるということで、人気があったわけです。
 今回、トルコリラがまさかそこまでは下がらないだろうという所まで底を抜けて下落したので、証拠金取引でロスカットが走った人などは、そこまでにもらった金利などは吹っ飛んでしまうような事態になったわけです。
 高金利通貨というもののリスクについてはやはり考えておかないといけないのです。高金利は様々な理由があるから高金利になっているのです。そのまま高金利だけを享受しようというのは甘く、当然為替レートが動き、いくら金利をもらっても大変な損になる可能性があるということは覚悟しておいた方が良いでしょう。
 ただ、トルコの問題は全世界的に見た場合は、多少の影響の程度で済むと思います。
 それほど国としての規模が大きいわけではないことと、何とか落ち着くのではないかと思われるからです。今後牧師がアメリカに帰ってくれば決着するでしょうし、帰ってこなかったとしても時間が経つことで記憶が薄れることもあり、問題は収束していくでしょう。
 米中の貿易摩擦に関しても、トルコ問題に関しても、すぐの解決はないと思いますが、徐々に影響力が落ちてくる問題だと思います。マーケットへの大きな悪材料になるかというと、今後そうはなりにくくなってくると言えるでしょう。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「金融リアルタイムライブ」講師
財産ネット株式会社 企業調査部長
藤本 誠之
8月29日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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【次回の記事】米経済が商品価格に与える影響(近藤雅世)
【前回の記事】
老朽マンション問題の解決法(大前研一)

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それでは、次回のグローバル・マネー・ジャーナルもどうぞお楽しみに!
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