グローバル・マネー・ジャーナル

2018.5.16(水)

選挙前後の相場の揺れに備える(藤本誠之)

2018.05.16(水)
選挙前後の相場の揺れに備える(藤本誠之)
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選挙前後の相場の揺れに備える(藤本誠之)

EPS・PERから見る日経平均株価

 株価は、EPS(1株当たり利益)× PER(株価収益率)で全て説明できると思います。EPSで示される現実だけではありませんが、現実の企業の収益力は株価に大きな影響があります。また、もう一つのファクターとしてのPERは、何倍まで買うか、何年分買うかということを示します。EPSは1年分の利益なので、PERは年数と考えればよいのです。PER5倍というのは5年ということになり、5年分の利益で株価が説明できてしまうわけです。ただ、5年で全部のビジネスモデルが崩れる会社というのはなかなかなく、中長期でマーケット自体がなくなったり、徐々に変化していったりする企業はたくさんあると思いますが、5年で変わる事は多くないだろうと思います。
 このように現実であるEPSに、夢と言えるPERをかけて株価が出来上がっているのです。逆に言うと、株価をEPSで割ると、PERつまり何年分かが出てくるというわけです。PER100倍と言えば100年分の利益、PER5倍の場合は5年分の利益となります。企業はある程度永続するので、100年とは言いませんが、今の平均値は14倍から19倍という範囲になっているということなのです。
 日経平均の予想EPSの推移を見ると、5月9日の時点で1,722円40銭と、アベノミクス以降の最高値を更新していて、非常に強い状況となっています。決算発表のたびにEPSが上昇し、今回もさらに上がってきているのです。そう見ると企業業績がしっかりしている中で、株はなかなか下がりづらいのではないかと思います。このところのPERは13倍と、非常に安い水準にあり、その面からも強い動きが予想されます。12倍に向かうのか、14倍に向かうのかということですが、12倍ならば2万0670円、14倍となれば株価は2万4114円で、14倍の方が予想としては近いのではないかと思います。
 目先8月までの展望としては、6月、7月に2万3500円程度、上昇しても2万4000円ほどと見ています。そのあたりまでは上昇相場が期待できると思っています。様々な懸念が後退してくる上に、国内的にも安倍政権が継続するかが具体的にはそこまで問題にはならないからです。逆に9月が近づくと、実際に選挙に向けた具体的な準備や調整が出てくるので、その前の7月、8月あたりからは国内政治に絡んだニュースが飛び込んでくることが予想され、株価にとって重しとなりそうです。ただその前には、2万4000円を目指す相場が期待できると思います。

政局の影響によるマーケットの不安要素

 前回、2月15日の講義の時点では、日経平均株価は2万1154円、PERは13倍を割り、12.81倍となっていました。これが、直近5月9日時点のデータで見ると、2万2408円と、1250円ほど値上がりし、東証2部指数なども上昇となりました。PERも13倍と、前回よりは上がりましたが、日経平均ほどは上がっていないということは、EPS自体も上昇したのでPERが低く見えるというかたちになったわけです。
 現在の世界の構造を見ると、やはり日本はこの9月に予定されている自民党総裁選が気になる材料で、アメリカはその先にある中間選挙に注目が集まってきています。ヨーロッパは、若干の金利引き上げから、直近はドイツ経済が少し弱くなって来ていますが、再びユーロ安になったことでドイツ経済にはプラスとなり、見たところ大きな問題は無いだろうと思います。
 アメリカでは10年国債が3%をつけたということも注目されますが、3%を超えたこと自体が問題ではないと思います。それを超えるほど景気が良いということでもあるからです。2月の時点ではこの動きによってかなり波乱が起き、3月はリスクオフというかたちになって日経平均も安値を付けたわけですが、今回はそこまでの反応はありません。更に中間選挙をいかに気にして見ていくかというところがポイントになるかと思います。
 トランプ大統領が選挙に向けて、強硬姿勢を打ち出してくる可能性があります。特に、アメリカ国民に向けて何らかのプラスになるようなこと、例えば日本の円相場を現在のドル高円安からもっと円高にしても良いのではないかなどと言って、円安容認から円高推進に変わってくれば、日本株にも影響が出やすくなります。ただ、中間選挙に向けて、トランプ大統領は見た目では折れないと言っていますが、選挙までのポーズではないかということは、マーケットも織り込んでいると思われます。イランの問題も離脱と言っていますが、実際には6ヵ月間の猶予期間があり、6ヵ月後には中間選挙も終わっているのです。こうした選挙に向けたパフォーマンス的なことが出やすい時期であり、これによって株式市場も多少揺すぶられることが予想されます。
 そして日本は、森友、加計問題がいまだに尾をひいています。今後の政局不安、安倍政権が本当に継続できるのかどうかが問題であり、自民党総裁選の行方に注目が集まります。基本的には、野党が与党になるという事はありえないと思いますが、自民党内で政局が変わり、自民党総裁が変わるということがリスクとして考えられています。私自身は、安倍総理の続投だと思っています。安倍総理に代わる人がいるのかと考えた場合、実際には難しいだろうと思うのです。このまま安倍総理で行くと予想していますが、周りのいろいろな人を見ると、安倍総理が続投しないリスク、可能性を非常に大きく捉えている人も多く見受けられます。
 そう考えるとやはり政局不安、自民党総裁選が、マーケットとしては大変気になってくるわけです。安倍総理はいろいろな問題が生じてはいますが、致命的なものはないと思います。野党が因縁をつけているだけにも思えるので、自民党内での総裁選問題はあるものの、安倍総理でもし固まるならば、それは日本株にとってポジティブサプライズとなり、プラスになると思います。そうでなければ、やはり外国人投資家の売りも幾分は覚悟しなければいけませんが、PERの水準があまりに低いので、さらに売り込めるかと言われれば、下値もそれほどないだろうと思います。しかしその場合は、株価が上がるのは難しくなると言えます。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「金融リアルタイムライブ」講師
財産ネット株式会社 企業調査部長
藤本 誠之
5月10日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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▼その他の記事を読む:
【次回の記事】米株価暴落の前兆とは何か?(田口美一)
【前回の記事】韓国・北朝鮮「板門店宣言」の裏側を読む(大前研一)

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それでは、次回のグローバル・マネー・ジャーナルもどうぞお楽しみに!
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