国内金融政策/20世紀の経済政策/新しい日本の経済政策(大前 研一)
2021.10.6(水) | |||||||||||||
国内金融政策/20世紀の経済政策/新しい日本の経済政策(大前 研一) | |||||||||||||
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国内金融政策 |
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日経新聞は9月9日、「日銀緩和頼み、空転20年」と題する記事を掲載しました。これは日銀の黒田総裁が日経新聞のインタビューで、「デフレの影響が人々のマインドセットに残っている」と述べ、粘り強く大規模な金融緩和を続ける考えを強調したと紹介しています。アメリカやヨーロッパの中央銀行は、インフレ懸念から緩和、縮小を探り始めた一方、物価低迷が続く日本は蚊帳の外で、低温経済から抜け出せない現状としています。 | |||||||||||||
20世紀の経済政策 |
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黒田氏の悲劇は、20世紀の経済政策を浜田氏の指南によって行ったことです。私に言わせると、政策そのものが間違っています。低金利にしても、マネーサプライを幾らにしても、駄目なのです。その理由は、私が常々言っている低欲望社会というものが基本にあるからです。20世紀の高欲望の時代、成長期時代のそれいけどんどんの人達のメンタリティーとは違うので、今の日本人はお金があっても使いません。その上で、安倍政権は「人生100年」だと、ばかなことを言いました。80歳までは何とかめどが付いているという人も、あと20年もと言われたら、困り果ててしまいます。さらには、定年を60歳から65歳へ、そして70歳まで働かなければならないとなると、これは大変だとなってしまいます。お金を使い切って人生を終えると考えるイタリア人とは違って、日本人は低欲望、かつ貯蓄奨励で育ってきました。そんな日本人に向けて、人生100年、70歳まで働けというのは、めちゃくちゃな政策なのです。 | |||||||||||||
新しい日本の経済政策 |
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黒田氏は、20世紀の経済しか理解していません。低金利にしてマネーサプライ、これを推進すれば何とかなると思っています。クルーグマンも、ニューヨーク・タイムズに敗北宣言を出しました。日本は何も反応しなかったので、自分は全く予想外だと言いましたが、それについては、低欲望の日本はこうなっているのだと、私は伝えたいと思います。逆に金利を高くしたら使えるお金が生まれます。1800兆円の貯蓄があるので、1パーセント伸ばしただけで18兆円です。低金利にしてしまうから駄目なのです。黒田氏は20世紀の経済しか勉強していないので、その辺りが全く分かっていないのです。 | |||||||||||||
ですから21世紀の今の日本の現状については、クルーグマンも分かっていませんが、浜田氏や黒田氏は惨敗の状態です。早く彼らを除いて、新しい日本の経済政策を考えていかなくてはなりません。新総理には、ぜひ新しい政策を進めてもらいたいと思います。アベノミクスの継承、アベノミクスのさらなる強化と表明している高市氏には、現実を見る力を持ってもらわないといけません。マスコミも、その辺りのことをもっと強く指摘してほしいと思います。 | |||||||||||||
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▼その他の記事を読む:
【前回の記事】東アジア企業/フィンテック/アディエン/事業分野別のユニコーン企業数(大前 研一) |
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